神保町シアター

これまでの特集企画

川本三郎編 映画の昭和雑貨店
「こどもたちのいた風景」

手をつなぐ子等

幼時の大病で脳に障害を負った天真爛漫な寛太が、新たな学校で教師や同級生たちに見守られ成長していく。舞台は昭和12年。伊丹万作の遺稿を盟友稲垣浩が映画化した名作。

少年

車にぶつかっては示談金をゆする当たり屋一家を描くロード・ムービー。義母とともに車に身をさらす無口な少年の心に芽生える正義への渇望に心打たれる。実話に取材した大島渚の傑作。

にあんちゃん

不況にあえぐ炭鉱の町、両親を亡くした在日朝鮮人の四兄妹の生きるための苦闘を力強い演出で描く。ベストセラーになった手記を当時新進気鋭の今村昌平が映画化した秀作。

秋立ちぬ

築地周辺を舞台に、旅館の仲居になる母とともに長野から上京した少年が体験する夏の日の物語。巨匠・成瀬巳喜男が子どもたちの世界の哀歓をいとおしんだ可憐な一篇。

つづり方兄妹

大阪枚方市の貧しい一家の三兄妹は作文が大好きで、あちこちに投稿しては賞品を獲得し天才と評判だった。そんなある日、次男文雄が小犬を拾ってくるが・・・。話題となった実話の映画化。

警察日記

会津磐梯山のふもとの町の警察署に今日も様々な事件が持ち込まれる。捨て子の世話を担当した吉井巡査は自宅に連れ帰るが・・・。久松静児の代表作で、名子役二木てるみが超可愛い。

夜あけ朝あけ

鬼怒川べりの農村を舞台に、母に死なれた子どもたちが遺された田を守り育てていく。住井すゑの代表作を、農村の春夏秋冬をとらえたオールロケで映画化した劇団民芸の自主製作作品。

あすなろ物語

今年誕生百年となる井上靖の自伝的小説の映画化。小学、中学、高校の3つの時代に出会った3人の女性の思い出を綴る。堀川弘通のデビュー作で、師匠の黒澤が脚本を贈った。

しろばんば

祖母と二人で暮す小学生洪作の前に、女学校を卒業した美しい叔母が現れる。伊豆を舞台にした井上靖の自伝的小説の映画化で、監督はベテラン滝沢英輔があたり、木下恵介が脚本を提供した。

キクとイサム

小さな村で祖母と暮らす姉弟。二人は父が米国黒人だということを知らない。差別に直面しながらも、みなぎる生命力で跳ね返す姿をユーモアたっぷりに描いた今井正の傑作。