文学を映画で愉しむ――
2017年3月4日(土)〜31日(金)
2017年は、文豪・夏目漱石の生誕150年にあたる記念すべき年です。本の街の名画座として、これまでも文芸作品を原作とする映画を中心にプログラムを組んできましたが、今回はその集大成ともいうべき文芸映画特集を開催します。
古くは、夏目と同じ時期に活躍した森鴎外や泉鏡花、芥川龍之介といった、まさに「文豪」の名にふさわしい面々から、昭和以後の太宰治、井上靖、そして戦後に活躍した三島由紀夫、遠藤周作まで、近現代文学の名作を選抜きました。
日本を代表する映画人らが手掛けた日本文学の映像化作品は、活字で愉しむのとはまた違った側面を持つ、新たな芸術の誕生といってもよいでしょう。
読んでから観るか、観てから読むか―劇場のシートに腰を沈め、作品の世界にどっぷりと浸る、濃密な時間をお過ごしいただきたいと思います。
『吾輩ハ猫デアル』 昭和11年 白黒 監督:山本嘉次郎 原作:夏目漱石 出演:丸山定夫、徳川夢声、藤原釜足、宇留木浩、千葉早智子
『細雪』 昭和25年 白黒 監督:阿部豊 原作:谷崎潤一郎 出演:高峰秀子、轟夕起子、山根寿子、花井蘭子、河津清三郎 *デジタル上映
『阿部一族』 昭和13年 白黒 監督:熊谷久虎 原作:森鴎外 出演:河原崎長十郎、中村翫右衛門、山岸しづ江、堤真佐子、山崎進蔵
『婦系図〈総集篇〉』 昭和17年 白黒 監督:マキノ正博 原作:泉鏡花 出演:長谷川一夫、山田五十鈴、古川緑波、高峰秀子、山本礼三郎
『坊っちゃん』 昭和28年 白黒 監督:丸山誠治 原作:夏目漱石 出演:池部良、岡田茉莉子、小沢栄、森繁久彌、多々良純
『集金旅行』 昭和32年 カラー 監督:中村登 原作:井伏鱒二 出演:岡田茉莉子、佐田啓二、花菱アチャコ、西村晃、伊藤雄之助
『すれすれ』 昭和35年 白黒 監督:瑞穂春海 原作:吉行淳之介 出演:川口浩、弓恵子、川崎敬三、宮川和子、三宅邦子
『古都』 昭和38年 カラー 監督:中村登 原作:川端康成 出演:岩下志麻、宮口精二、長門裕之、吉田輝雄、早川保
『こころ』 昭和30年 白黒 監督:市川崑 原作:夏目漱石 出演:森雅之、新珠三千代、三橋達也、安井昌二、田村秋子 *デジタル上映
『わが愛』 昭和35年 カラー 監督:五所平之助 原作:井上靖 出演:有馬稲子、佐分利信、丹阿弥谷津子、乙羽信子、高橋とよ
『真白き富士の嶺』 昭和38年 白黒 監督:森永健次郎 原作:太宰治 出演:吉永小百合、芦川いづみ、浜田光夫、宮口精二、岡村文子
『私が棄てた女』 昭和44年 パートカラー 監督:浦山桐郎 原作:遠藤周作 出演:河原崎長一郎、浅丘ルリ子、小林トシエ、小沢昭一、加藤武
『夏目漱石の三四郎』 昭和30年 白黒 監督:中川信夫 原作:夏目漱石 出演:山田真二、八千草薫、笠智衆、土屋嘉男、岩崎加根子
『女性操縦法(『グッドバイ』再公開短縮改題版) 』 昭和24年 白黒 監督:島耕二 原作:太宰治 出演:森雅之、高峰秀子、若原雅夫、清川玉枝、江川宇礼雄 *デジタル上映
『愛の渇き』 昭和42年 白黒 監督:蔵原惟繕 原作:三島由紀夫 出演:浅丘ルリ子、中村伸郎、山内明、石立鉄男、楠侑子
『地獄変』 昭和44年 カラー 監督:豊田四郎 原作:芥川龍之介 出演:中村錦之助、内藤洋子、仲代達矢、大出俊、天本英世