神保町シアター

1996／カルチュア・パブリッシャーズ／カラー／ヴィスタ／1時間50分

■脚本：市川準、鈴木秀幸、森川孝治■撮影：小林達比古■音楽：清水一登、れいち■美術：間野重雄■出演：本木雅弘、鈴木卓爾、阿部サダヲ、さとうこうじ、大森嘉之、古田新太、生瀬勝久、翁華栄、安部聡子

手塚治虫が住んだ実在のアパート“トキワ荘”を舞台に、寺田ヒロオはじめ、石森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄ら夢にひたむきな漫画家たちの青春の日々と慎ましい暮らしを丁寧に描いた秀作。

★ロッテルダム国際映画祭招待

1988／松竹＝日本テレビ放送網＝SEDIC＝坂本事務所／カラー／ヴィスタ／1時間39分

■脚本：鈴木聡、市川準■撮影：小野進■音楽：板倉文■美術：菊川芳江■出演：ハナ肇、西山由美、植木等、谷啓、犬塚弘、桜井センリ、安田伸、石橋エータロー、木野花

映画“クレージー作戦シリーズ”で描かれたサラリーマンたちのその後の物語。定年退職を控えた彼らは、社内でジャズバンドを組むことに…。クレージーの面々が穏やかに語り合う姿は、演技を越えて静かな感動を呼ぶ。

2005／ウィルコ／カラー／ヴィスタ／1時間15分

■原作：村上春樹「トニー滝谷」（『レキシントンの幽霊』より）■脚本：市川準■撮影：広川泰士■音楽：坂本龍一■美術：市田喜一■出演：イッセー尾形、宮沢りえ、篠原孝文、山本浩司、木野花■ナレーション：西島秀俊

村上春樹の同名短編の映画化。孤独に育ち、孤独と親しんでいたはずの男が、最愛のひとに出会うことで本当の孤独を知る。削ぎ落とした演出方法で、静かにあぶり出される大切な愛の物語。

1999／吉本興業＝関西テレビ放送＝電通＝近代映画社＝エス・エス・エム／カラー／ヴィスタ／2時間

■脚本：犬童一心■撮影：小林達比古、蔦井孝洋■音楽：朝川朋之■美術：山口修■出演：池脇千鶴、南野公助、沢田研二、田中裕子、北川智子、ミヤコ蝶々

売れない夫婦漫才師とその娘の物語。東京人・市川監督が、豊田四郎監督『夫婦善哉』ほか愛する映画への想いを込めて、大阪の街やそこに暮らす人々の姿を表情豊かに描き出した傑作。

★釜山国際映画祭招待  ★キネマ旬報ベスト8位

1995／ライトヴィジョン／カラー／ヴィスタ／1時間32分

■原案：藤田昌裕■脚本：藤田昌裕、猪股敏郎、鈴木秀幸■撮影：川上皓市、小林達比古■音楽：梶浦由記■美術：磯田典宏■出演：緒形直人、粟田麗、手塚とおる、広岡由里子、小池幸次、角替和枝、白川和子

古書店勤務の兄と高校生の妹、二人きりの静かで満ち足りた暮らし、しかし変化は否応なく訪れて…。都電荒川線、鬼子母神、商店街、路地裏など、人々の記憶の風景を掬いとって見せる市川監督の真骨頂。

1997／衛星劇場＝近代映画協会／カラー／ヴィスタ／1時間27分

■原案：市川準■脚本：佐藤信介■撮影：小林達比古■音楽：清水一登、れいち■美術：間野重雄■出演：長塚京三、倍賞美津子、桃井かおり、上川隆也、はやし・こば、七尾伶子、朝霧鏡子、花沢徳衛、安部聡子

数年前に家を飛び出した男が、突然帰ってきた。男の帰宅は、男の妻、妻を想う青年、男のかつての恋人の心にざわざわと波を立てて…。古い商店街のくすんだ日常の中に咲いた大人の恋愛映画。

2006／AZOTH／カラー／ヴィスタ／1時間22分

■原作：重松清「あおげば尊し」（『卒業』より）■脚本：市川準■撮影：小林達比古■音楽：岩代太郎■美術：山口修■出演：テリー伊藤、薬師丸ひろ子、絵沢萠子、大倉孝二、入江雅人、麻生美代子、加藤武

余命幾ばくもない父を自宅で看取ろうとする家族の揺れと覚悟。名優・加藤武が台詞でなく自身の身体でもって生きてきた時代を雄弁に語る。一つの時代への鎮魂を込めて綴られた佳作。