現存する全作品を上映
デジタルリマスターで甦ったカラー作品『秋刀魚の味』『彼岸花』『秋日和』『お早よう』、
そして、『東京物語』ニューデジタルリマスター版、
いずれも国内劇場初公開。
小津唯一の記録映画『菊五郎の鏡獅子』特別上映。
サイレント作品は"ピアノ生伴奏&活弁付き"で上映。
デジタルリマスター版について
松竹(株)と東京国立近代美術館フィルムセンターが共同で『秋刀魚の味』、『彼岸花』、『秋日和』、『お早よう』の4K解像度(4096×3112)によるスキャンを取り入れたデジタル修復作業を行い、画・音ともに現在の最高技術によって公開当時の鮮やかさが甦りました。今回が国内初の映画館上映となります。
2013年11月23日(祝・土)〜2014年1月13日(祝・月)
2013年12月30日(月)〜2014年1月2日(木)は休館
2013年11月23日(祝・土)〜12月27日(金)
2013年12月28日(土)〜2014年1月13日(祝・月)
2013年12月30日(月)〜2014年1月2日(木)は休館
◆入場料金
トーキー作品◆当日券=一般 ¥1,200 / シニア ¥1,000 / 学生 ¥800
『菊五郎の鏡獅子』のみ¥800均一
◆前売券=《平日・最終回のみ限定発売》¥1,200
前売券の詳細は コチラ
サイレント作品◆当日券のみ=¥1,500均一*前売券販売はありません
自由席定員制(99席)*整理番号制*各回完全入替制
小津と東京
戦前の『東京の合唱』や『東京の宿』から戦後の『東京物語』や『東京暮色』。小津作品には「東京」が入った題名が多い。実際、大半の作品は東京を舞台にしている。
故郷である東京への深い愛着、東京の変貌への強い関心が見てとれる。『風の中の牝鶏』の荒川放水路、『東京物語』の放水路と東武電車の堀切駅、『お早よう』の六郷土手などには東京の細部への目くばりが感じられる。
他方で、変わりゆく東京へ違和感を抱いたことも見てとれる。『麥秋』の原節子は秋田へと去るし、『東京物語』の両親は尾道へと帰ってゆく。『早春』の夫婦は岡山県の三石へ転換する。東京を愛しながら、他方で東京を離れる者たちもいる。小津はその両極を揺れ動いている。
―――川本三郎(評論家)
©松竹 | ||
1903(明治36)年12月12日、東京深川に生まれる。三重県立宇治山田中学を卒業し、'23年、松竹蒲田撮影所に撮影部助手として入社。1年の兵役を経て、大久保忠素の助監督となる。'27年、野田高梧の脚本による時代劇『懺悔の刃』で監督デビュー。'32年の『生れてはみたけれど』から『出來ごころ』『浮草物語』で3年連続のキネマ旬報ベストワンを獲得し、最初の絶頂期を迎える。'37年応召し'39年まで中国戦線を転戦。4度目のベストワンを得た『戸田家の兄妹』をはさみ、'43から軍報道部映画班員としてシンガポールに滞在し、'46年帰国。戦後3作目の『晩春』で5度目のベストワンを得、以来、日本映画界を代表する巨匠として傑作を連打した。主要な国際映画祭への出品はなされず、国際的な認知は黒澤明、溝口健二に遅れたが、'57年にロンドンのナショナル・フィルム・シアターで上映された『東京物語』が絶賛を博し、年間最優秀映画に選出されたことを契機に、世界的な評価を高めていった。'63年12月12日、60歳の誕生日に死去。
天池穂高 Amaike Hodaka
東京芸術大学音楽学部作曲科卒、同大学院修了。フィルムセンター「小津安二郎の藝術」等の企画にて、サイレント映画の伴奏を担当。作編曲活動に加えて、バレエのレッスンピアニストとしても活動している。
神浮ヲり Kozaki Eri
国立音楽大学、パリ国立高等音楽院卒業。作曲、作曲理論、即興演奏、室内楽の学位を取得後、作曲家・ピアニスト・即興演奏家として活躍。近年は映画伴奏に力を入れており、国内外での公演多数。
小林弘人 Kobayashi Hiroto
東京藝術大学大学院作曲科修了。サイレント映画の伴奏者として、これまでにフィルムセンター、東京国際映画祭などに出演。東京藝術大学、東京音楽大学、洗足学園音楽大学各非常勤講師。
松村牧亜 Matsumura Makia
東京藝術大学音楽学部作曲科卒、ジュリアード音楽院作曲修士号取得。イタリア・ポルデノーネ無声映画祭マスタークラス受講後、NYを拠点に無声映画伴奏者として活躍中。『法に泣く女』(キノ・インターナショナル)DVDに音楽を提供。
柳下美恵 Yanashita Mie
武蔵野音楽大学ピアノ専攻卒業。映画生誕100年記念上映会でデビュー以来、国内外で活躍。欧米スタイルのサイレント映画伴奏者は日本初。洋画・邦画を問わず全ジャンルの伴奏をこなす。2006年度日本映画ペンクラブ奨励賞受賞。
片岡一郎 Kataoka Ichiro
2002年に澤登翠に入門。克、独、濠、米、加、伊など、海外で公演を重ねる。これまでに説明した無声映画は約250本。紙芝居、書生節、声優、文筆業にも取り組んでいる。昨年のポルデノーネ無声映画祭に男性弁士として初出演。
坂本頼光 Sakamoto Raiko
2000年、弁士デビュー後、時代劇作品を主に、各所で活弁ライブを行う。これまでの説明作品は約60本。近年は自作動画を使った活弁や、声優、ナレーションの分野でも活動している。
『学生ロマンス 若き日』 昭和4年 白黒 サイレント
『和製喧嘩友達(短縮版)』 昭和4年 白黒 サイレント
『大学は出たけれど(短縮版)』 昭和4年 白黒 サイレント
『突貫小僧(短縮版)』 昭和4年 白黒 サイレント
『朗かに歩め』 昭和5年 白黒 サイレント
『落第はしたけれど』 昭和5年 白黒 サイレント
『その夜の妻』 昭和5年 白黒 サイレント
『淑女と髯』 昭和6年 白黒 サイレント
『東京の合唱』 昭和6年 白黒 サイレント
『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』 昭和7年 白黒 サイレント
『青春の夢いまいづこ』 昭和7年 白黒 サイレント
『東京の女』 昭和8年 白黒 サイレント
『非常線の女』 昭和8年 白黒 サイレント
『出來ごころ』 昭和8年 白黒 サイレント
『母を恋はずや(不完全版)』 昭和9年 白黒 サイレント
『浮草物語』 昭和9年 白黒 サイレント
『東京の宿』 昭和10年 白黒 サウンド版
『菊五郎の鏡獅子』 昭和11年 白黒
『一人息子』 昭和11年 白黒
『淑女は何を忘れたか』 昭和12年 白黒
『戸田家の兄妹』 昭和16年 白黒
『父ありき』 昭和17年 白黒
『長屋紳士録』 昭和22年 白黒
『風の中の牝鶏』 昭和23年 白黒
『晩春』 昭和24年 白黒
『宗方姉妹』 昭和25年 白黒
『麥秋』 昭和26年 白黒
『お茶漬の味』 昭和27年 白黒
『東京物語』 昭和28年 白黒 *ニューデジタルリマスター版
『早春』 昭和31年 白黒
『東京暮色』 昭和32年 白黒
『彼岸花』 昭和33年 カラー *デジタルリマスター版
『お早よう』 昭和34年 カラー *デジタルリマスター版
『浮草』 昭和34年 カラー *16mm上映
『秋日和』 昭和35年 カラー *デジタルリマスター版
『小早川家の秋』 昭和36年 カラー
『秋刀魚の味』 昭和37年 カラー *デジタルリマスター版
『生きてはみたけれど 小津安二郎伝』 昭和58年 カラー 監督:井上和男
『小津と語る Talking With OZU』 平成5年 カラー 監督:田中康義
小学館刊
DVD&BOOK(全10巻)
小津安二郎 名作映画集10+10
各巻価格3,465円 全巻好評発売中
名匠・小津安二郎監督の代表作に戦前のサイレント作品を加えて各巻2作品を収録したDVDに、解説本(32頁)がセットとなった価値あるシリーズ!
<各巻の収録作品>
1 東京物語/落第はしたけれど
2 晩春/生れてはみたけれど
3 麥秋/淑女と髯
4 お茶漬の味/浮草物語
5 秋日和/母を恋はずや
6 彼岸花/東京の合唱
7 秋刀魚の味/出来ごころ
8 お早よう/学生ロマンス 若き日
9 東京暮色/その夜の妻
10 早春/大学は出たけれど
このイベントは終了しました
11月23日(祝・土)11:00〜『一人息子』上映後
このイベントは終了しました
12月7日(土)13:40〜『彼岸花』上映後
ゲスト:近森眞史氏(『東京家族』『小さいおうち』撮影監督)、
五十嵐真氏(松竹映像センター)
このイベントは終了しました
12月12日(木)12:00〜『東京物語』上映後
聞き手:山根貞男氏(映画評論家)
劇場来場者を対象に行ったアンケートの結果をもとに、人気作上位5作品をアンコール上映いたします。
上映期間=2014年1月14日(火)〜17日(金)
「わたしが好きな小津作品」べスト5発表!
★1位=東京物語
2位=秋刀魚の味 / 3位=麥秋 / 4位=晩春 / 5位=秋日和
【上映時間】
『東京物語』1/15(水)16:50、1/16(木)12:00、1/17(金)19:30
『秋刀魚の味』1/14(火)14:40、1/16(木)14:40、1/17(金)16:50
『麥秋』1/15(水)14:15、1/16(木)19:35、1/17(金)12:00
『晩春』1/15(水)12:00、1/16(木)17:20、1/17(金)14:30
『秋日和』1/14(火)12:00、1/15(水)19:30
*当日券のみの販売/連日11:00〜チケット売り場にて整理番号付き入場券を販売します
*料金:一般1200円、シニア1000円、学生800円
*ご入場方法などは特集「映画監督 小津安二郎」と同じです
◆関連イベントのお知らせ◆
OZU 110th Anniversary
12月12日(木)〜2014年3月30日(日)
主催・会場:東京国立近代美術館フィルムセンター(ハローダイヤル03-5777-8600)
小津作品をめぐる図像に注目し、小津独自の美的感性を浮き彫りにします。