2018年9月8日(土)〜28日(金)
日本映画の黄金期を支えたスター女優のひとり、野添ひとみの特集上映です。
1937年東京に生まれた野添は、松竹少女歌劇団付属・松竹音楽舞踊学校の出身。同期生の芦川いづみと共に在籍中から注目を集め、52年の松竹映画『うず潮』で佐田啓二の相手役に抜擢されスクリーンデビュー。以後、松竹のほか、新東宝や独立プロ作品などでも女優としてのキャリアを積み、57年、当時交際していた俳優の川口浩の誘いで、川口の父・川口松太郎が重役を務める大映と契約。同年、移籍一作目となる『くちづけ』での川口との共演が評判を呼び、『地上』『有楽町で逢いましょう』と立て続けに話題作に出演、川口と野添は、大映を代表するコンビとして、スターの地位を確立していったのです。
1960年には川口と結婚、夫の事業の手伝いの傍ら、映画・テレビに出演しましたが、87年、川口に先立たれ、その後95年には自身も病に倒れ、58歳の若さでこの世を去りました。
今回は、主演女優として華々しい活躍をした大映時代の作品を中心に、その忘れられない輝きを振り返りたいと思います。
*すべて野添ひとみの出演作です
『たそがれ酒場』 昭和30年 白黒 監督:内田吐夢 共演:小杉勇、津島恵子、宇津井健、多々良純、東野英治郎 *デジタル上映
『負ケラレマセン勝ツマデハ』 昭和33年 白黒 監督:豊田四郎 共演:森繁久彌、望月優子、淡島千景、伴淳三郎、小林桂樹
『くちづけ』 昭和32年 白黒 監督:増村保造 共演:川口浩、小沢栄太郎、三益愛子、村瀬幸子、見明凡太朗
『親不孝通り』 昭和33年 白黒 監督:増村保造 共演:川口浩、桂木洋子、船越英二、小林勝彦、市川和子
『白い悪魔』 昭和33年 白黒 監督:斎藤武市 共演:森雅之、小林旭、渡辺美佐子、清水将夫、稲垣美穂子 *デジタル上映
『氷壁』 昭和33年 カラー 監督:増村保造 共演:山本富士子、菅原謙二、川崎敬三、上原謙、浦辺粂子
『不敵な男』 昭和33年 白黒 監督:増村保造 共演:川口浩、岸田今日子、船越英二、永井智雄、川上康子
『セクシー・サイン 好き好き好き』 昭和35年 カラー 監督:島耕二 共演:叶順子、宮川和子、川口浩、金田一敦子、船越英二
『巨人と玩具』 昭和33年 カラー 監督:増村保造 共演:川口浩、高松英郎、伊藤雄之助、小野道子、信欣三
『暖流』 昭和32年 カラー 監督:増村保造 共演:左幸子、根上淳、船越英二、品川隆二、村田知英子
『投資令嬢』 昭和36年 カラー 監督:枝川弘 共演:叶順子、根上淳、宮川和子、大瀬康一、藤間紫
『女妖』 昭和35年 カラー 監督:三隅研次 共演:山本富士子、叶順子、船越英二、高松英郎、八潮悠子