神保町シアター

S31('56)／日活／白黒／1時間29分

■監督・脚本：古川卓巳■原作：石原慎太郎■撮影：伊佐山三郎■音楽：佐藤勝■美術：松山崇■出演：南田洋子、長門裕之、三島耕、佐野浅夫、岡田真澄、石原裕次郎

でらためな毎日を送るボクサー志望の高校生・竜哉(長門)は、銀座で引っ掛けた英子(南田)に夢中になるが…。「太陽族」という流行語を生んだ芥川賞受賞作の映画化で、主演の二人は後に夫婦となった。

S32('57)／松竹大船／白黒／1時間54分

■監督：小林正樹■原作：富島健夫■脚本：松山善三■撮影：厚田雄春■音楽：木下忠司■美術：平高主計■出演：有馬稲子、仲代達矢、渡辺文雄、山田五十鈴、桂木洋子、永井智雄

米軍基地近くの貧乏長屋に引越してきた苦学生は、立ち退きを迫る愚連隊や、同じ住人の訳ありの女に翻弄される――。悲劇のヒロイン・有馬稲子が強烈な印象を残し、無慈悲なやくざ者を演じた仲代達矢が出世作とした。

S34('59)／日活／白黒／1時間38分

■監督：蔵原惟繕■原作：大江健三郎■脚本：白坂依志夫■撮影：山崎善弘■音楽：佐藤勝■美術：松山崇■出演：長門裕之、渡辺美佐子、吉行和子、小高雄二、金子信雄、神山繁

ノーベル賞受賞作家の長編小説の映画化。生活苦から娼婦に囲われる大学生が、ジャズマンの弟に紹介された歌手志望の娘に惹かれるが…。無軌道な衝動に突き動かされる若者達の歪んだ情熱を描いた文芸ドラマ。

S35('60)／日活／白黒／1時間12分

■監督：鈴木清順■原作：一条明『ハイティーン情婦』■脚本：星川清司■撮影：萩原泉■音楽：三保敬太郎、前田憲夫■美術：千葉一彦■出演：川地民夫、禰津良子、中川姿子、芦田伸介、奈良岡朋子、吉永小百合

母との関係に苛立つ高校生(川地)は、不良仲間と盛り場を好き勝手に暴れ回っていた――。ショートカットに流行ファッションの出で立ちで走り回るモデル出身・禰津の魅力に釘付けのスタイリッシュな不良映画。

S31('56)／日活／白黒／1時間31分

■監督：古川卓巳■原作：岩橋邦枝■脚本：池田一朗、古川卓巳■撮影：姫田眞佐久■音楽：小杉太一郎■美術：高田一郎■出演：北原三枝、安井昌二、青山恭二、渡辺美佐子、香月美奈子、木室郁子、泉桂子

独特な恋愛観を持つ女子大生(北原)は、思いの向くまま男性と関係を持つが…。マスコミから“女版石原慎太郎”といわれた女子大生作家・岩橋邦枝の異色の青春小説の映画化。八頭身美人・北原の圧倒的主演作。

＊デジタル上映

S31('56)／松竹大船／白黒／1時間25分

■監督・脚本：木下惠介■撮影：楠田浩之■音楽：木下忠司■美術：梅田千代夫■出演：中村賀津雄、沢村貞子、有田紀子、石浜朗、久我美子、三宅邦子、杉田弘子

貧しさから不貞腐れた日々を送る青年が、母の計らいで勤めた工場の令息に気に入られ、ブルジョア青年達の不良グループに入るが…。巨匠・木下が、太陽族ブームへの反発から挑んだ異色の社会派青春映画。

＊デジタル上映

S35('60)／松竹大船／カラー／1時間27分

■監督：篠田正浩■原作：榛葉英治■脚色：寺山修司■撮影：小杉正雄■音楽：武満徹■美術：佐藤公信■出演：三上真一郎、炎加世子、山下洵一郎、高千穂ひづる、小坂一也、岩下志麻

ブルジョア学生達との虚無な戯れにも飽き、危険な思想に陶酔する大学生の主人公は、やがてテロへの夢想に没入していく――。安保闘争に感化される若者達の狂乱ぶりを描いた問題作。岩下志麻の映画デビュー作でもある。

S35('60)／日活／白黒／1時間16分

■監督：蔵原惟繕■原作：河野典生『狂熱のデュエット』■脚本：山田信夫■撮影：間宮義雄■音楽：黛敏郎■美術：千葉一彦■出演：川地民夫、郷�B治、長門裕之、草薙幸二郎、小園蓉子、千代侑子

ハードボイルド小説で知られ、熱狂的なジャズ･ファンでもある河野典生の原作を映画化。スタイリッシュな映像に全編を彩るジャズもイカす青春残酷篇。繊細さと危うさを爆発させる主人公を演じた川地が最高。

S31('56)／日活／白黒／1時間26分

■監督：中平康■原作・脚本：石原慎太郎■撮影：峰重義■音楽：佐藤勝、武満徹■美術：松山崇■出演：北原三枝、石原裕次郎、津川雅彦、岡田真澄、東谷暎子、藤代鮎子

裕次郎初主演映画で『太陽の季節』の姉妹篇として製作された太陽族映画の金字塔。『月曜日のユカ』等、モダンな演出で人気の中平康のデビュー作でもあり、若きフランソワ・トリュフォーからも絶賛された。

＊デジタル上映

S35('60)／松竹大船／白黒／1時間28分

■監督・脚本：吉田喜重■撮影：成島東一郎■音楽：木下忠司■美術：芳野尹孝■出演：津川雅彦、高千穂ひづる、川津祐介、山下洵一郎、千之赫子、渡辺文雄

27歳の吉田喜重が自らのオリジナル脚本で監督デビューを果たした異色の青春群像。社会への反抗心から危険な遊戯に溺れていく大学生グループの破滅的な青春を描く。虚無感に苛まれる青年役の津川がクール。

S35('60)／松竹大船／カラー／1時間39分

■監督・脚本：大島渚■撮影：川又�ｴ■音楽：真鍋理一郎■美術：宇野耕司■出演：桑野みゆき、川津祐介、久我美子、渡辺文雄、小林トシ子、二本柳寛、佐藤慶

高校生の真琴(桑野)は、仲間との火遊びのトラブルで大学生の清(川津)に助けられ、恋仲となるが――。松竹ヌーヴェル・ヴァーグの発火点となり、新鋭監督・大島を時代の寵児へと押し上げた衝撃の大傑作。

S39('64)／ 日活／白黒／1時間35分

■監督：蔵原惟繕■原作：河野典生『腐ったオリーブ』■脚本：山田信夫■撮影：金宇満司■音楽：黛敏郎■美術：千葉和彦■出演：川地民夫、チコ・ローランド、藤竜也、千代侑子、大滝秀治、新田昌玄、山田禅二

ジャズ狂の青年と黒人脱走兵の逃避行――。来日していたマックス・ローチ・カルテットが出演するなど全編が本格的なジャズに彩られ、孤独な青年の激しい衝動をスピード感ある映像で綴った灼熱の青春ドラマ。

S39('64)／東宝／白黒／1時間39分

■監督・脚本：和田嘉訓■撮影：福沢康道■音楽：武満徹■美術：北猛夫■出演：安岡力也、上岡肇、デビー・シエス、森田則之、寺田農、フランツ・フリーデル

鬼才・和田嘉訓の監督デビュー作で、まだ素人だった17歳の安岡力也が主演した、寓話的青春譚。ある施設で暮らす混血孤児たちは、盗んだ部品を組み立てた自動車に乗って、日本脱出する日を夢見ていた。

S46('71)／日活／カラー／1時間31分

■監督：藤田敏八■脚本：藤田敏八、峰尾基三、大和屋竺■撮影：萩原憲治■音楽：むつひろし、ぺぺ■美術：千葉和彦■出演：村野武範、広瀬昌助、テレサ野田、藤田みどり、山谷初男、原田芳雄

真夏の湘南を舞台に、やり場のない衝動から暴走する少年達を活写し、暴力とセックスにまみれた退廃的な青春を描いた問題作。日活がロマンポルノ路線に移行する直前の最後の作品。石川セリが歌った主題歌も有名。

S48('73)／東宝映画／カラー／1時間29分

■監督：松本正志■原作：北山修■脚本：大和屋竺、藤田敏八、古俣則男、松本正志■撮影：福沢康道■音楽：木田高介、西岡たかし、杉田二郎■美術：竹中和雄■出演：島村美輝、加藤小代子、酒井和歌子、沢井正延、原保美

男女3人の学生は、停学処分が不当だとストを決行したが、学生にも学校にも相手にされず、不貞腐れて旅に出た――。ジローズの同名ヒット曲をモチーフに、学生運動後のシラケ世代を主人公にした異色の青春ドラマ。

S49('74)／日活／カラー／1時間36分

■監督：神代辰巳■脚本：長谷川和彦■撮影：姫田眞左久■音楽：細野晴臣（ティン・パン・アレー）■美術：横尾嘉良■出演：高橋洋子、夏八木勲、高岡健二、殿山泰司、浜村純、江角英明、芹明香

時は大正。弁士をリーダーに浅草の映画館を根城にするアナーキスト集団は、政界のフィクサーの孫娘誘拐を企てるが――。革命に魅入られる青年達の無残な青春に、細野の甘く切ないメロディが刻まれる忘れ難い1本。