お知らせ

2016.4.20

「読み応えがあった!」茂木健一郎氏絶賛!! 我流で学んだ韓国語と、二十年近い付き合いのマウンテンバイクで、日韓間の埋められない溝を探る。 『韓国「反日街道」をゆく 自転車紀行1500』

この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。

「読み応えがあった!」茂木健一郎氏絶賛!! 我流で学んだ韓国語と、二十年近い付き合いのマウンテンバイクで、日韓間の埋められない溝を探る。 『韓国「反日街道」をゆく 自転車紀行1500』

 韓国の「反日」、日本の「嫌韓」ってなんなんだ?

 

「ここ数年で、韓国嫌いという日本人が増えたように感じられる。韓国を嫌うように勧める奇妙な本がたくさん売れているという。『私、竹島の話があってから韓国嫌いになったの』と得意気に話す僕の母親がいる。居心地が悪くなった。一つの国を嫌うという感情が含む曖昧さに、疑問符は打たれていないようだった」

 

 何かといがみ合う隣国とは、いったいどんな国なのか?

 

「自転車で一周してみて、やっぱり韓国が嫌いになるなら、それはそれで結構だ」

 

 スペインの音楽家アントニオ=ホセの故郷を訪ねて、その生涯を辿った作品で「開高 健ノンフィクション賞」の最終候補となった著者・前川仁之氏が、韓国を知るために用意した道具は二つ。我流で学んだ韓国語と、二十年近い付き合いのマウンテンバイクだ。

 

「雑多な教養と経験を持つ僕と、震災直後の宮城県沿岸部でもまったくひるまなかったこの自転車のコンビで、もしひどい目にあったら、それは韓国が悪いのである。そのくらいの気持ちで、2015年3月20日、僕は韓国一周の旅に出た!」

 

 三・一独立運動記念碑、李舜臣将軍海戦碑、愛国志士祠堂、晋州・矗石楼、光州市内、天安・独立記念館・・・。幾多の「抗日」史跡をめぐる中で、時に現地の人々と議論を交わし、著者は"いまだ敗れざる日帝"の影を見る。「独立運動の志士たちの歴史を知り、自尊心を養うのは良いことだ。ただ、なにかを嫌わせるような自尊心は良くないと思う」

 

 韓国人たちの詩情と歴史を学ぶ一方、日韓間の埋めきれない溝を感じながら、著者は新たな国家の物語を夢想して、南北軍事境界線へと自転車を漕ぎ出した・・・。

 

 著者の才能にいち早く注目していた、脳科学者の茂木健一郎さんは、この作品について以下のように激賞!

 

「自転車で釜山を出発して、韓国の土地を這いずりまわるように駆け抜けた著者だからこそ、38度線の『向こう側』に行けない、国が分断されてしまっていることの異常さ、もどかしさを身体性をもって語れるのだろう。地雷原や検問所の兵士たちのエピソードがまさに山脈のように連なるクライマックスも、読み応えがあった。また、光州事件に象徴される、権力に対する反逆心を、いわゆる『反日』の傾向と関連づけて論じた点は新たな視点を与えられた思いだった」

 

 地を這う旅の中で、知られざる隣人の心情や苦悩を体験してゆく、新感覚のノンフィクション!

 

「一つの章の旅程は最長で四日分と比較的細かく分けている。これは結果的にこうなったということもあるが、一風変わった旅行ガイドとしての実用性を狙ったためでもある。三日や四日の旅なら、大型連休を利用すれば会社勤めの人にだってできるはずだ。これもまた、参考になれば幸いである」(前川仁之)

 

『韓国「反日街道」をゆく

自転車紀行1500』

著/前川仁之

関連リンク