お知らせ
2016.9.2
天才とは○○○を狙い、命中させる人をいう。 『世界を7で数えたら』
この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。
キーワード: YA ヤングアダルト 映画化 クヮヴェンジャネ・ウォレス Counting by 7s 天才 ホリー・ゴールドバーグ・スローン 学校 植物 病気
7にこだわる天才少女から見た世の中
この物語の主人公はちょっと変わった12歳の女の子・ウィロー。彼女の好きな数字は7です。
‹‹ママは七年間、妊娠しようとしてきた››
‹‹七番目の月の七番目の日に(あたしが7を好きになるのもとうぜん)、あたしの新しい両親は自宅から二百五十七マイル、すなわち四百十三・六キロ北先にある病院までいって、うまれたばかりのあたしを引き取り、寒冷地帯に生息する木の名前をつけた。ウィロー=やなぎ››
彼女は時間や物の数など、なんでも数字で把握せずにはいられない性格。高機能な脳と豊富な知識をもっているけど、集団生活が苦手です。
‹‹新しい学校が始まる。
あたしは一人っ子。
あたしは養女。
あたしはほかの子とちがう。
変わってる。
でも、自分でも変わってるってわかっているから、なるべくそう見えないようにおさえている。少なくとも、自分ではそのつもり››
幼稚園からつまずきっぱなしの人間関係を乗り越えようと、ティーンエイジャーについてのさまざまな文献を読みあさって中学校生活にのぞんだウィロー。生徒手帳の内容もすべて暗記していました。しかし、彼女は登校初日、3時間ももちません。それでも彼女はなんとかやっていくため、持ち前の頭脳で、中学校生活について分析します。
‹‹服装は非常に重要だということ››
‹‹髪形やアクセサリーも、ものすごく重要だ››
‹‹目立つために大変な努力をしている生徒がいる。一方でまわりからうかないように一所懸命な生徒もいる››
‹‹音楽は、もはや宗教に近い。
音楽が、人を集めたりバラバラにしたりする。音楽はそのグループを特徴づけ、行動や反応のしかたを決定する››
‹‹男女の関係は変化に富み、多大な情熱がかたむけられており、まったく予測不可能だ。
‹‹栄養摂取については、まったく注意がはらわれていない››
‹‹デオドラントという言葉は、男子の半分以上に理解されていない››
結論、学校生活は地雷だらけでした。しかも、登校7日目の共通テストでカリフォルニア州初の満点を取り、カンニングを疑われてしまいます・・・。
風変わりな12歳の少女ウィローが、戸惑いながらも、自分の生きる場所をみつけていく物語。彼女の喪失と再生をとおして、人と人との結びつきや心のつながりを再認識させられます。天才少女の目から見た世の中の描写がとにかくユニークです!
オスカー候補主演で映画化決定!
本作品は2013年に発表され、発売後、ニューヨークタイムズベストセラーリストに長期間ランクイン! アマゾン2013年ベストブックに選ばれるなど、アメリカで大好評のベストセラーです。
作者のホリーは、『エンジェルズ』『メイド・イン・アメリカ』などの脚本・原案を手がける映画監督・脚本家としても知られる人物。本作はすでに映画化も決定! 主演はオスカー主演女優賞部門に最年少でノミネートされ、昨年ミュージカル映画『アニー』で主演したクワベンジャネ・ウォレスに決まり、映画の内容にも期待が高まっています。
SUPER! YA
著/ホリー・ゴールドバーグ・スローン 訳/三辺律子
関連リンク