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2016.12.1

酒と肴と美人女将を求めて。今宵の居酒屋に困ったら! 『太田和彦の居酒屋歳時記』

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キーワード: 食 グルメ コラム 旅

酒と肴と美人女将を求めて。今宵の居酒屋に困ったら! 『太田和彦の居酒屋歳時記』

 居酒屋めぐり8年、名コラムを文庫化! 

 

‹‹居酒屋おかみの白割烹着はいいものだ。

清潔で、家庭的で、男を立てる風情があり、

ほのかな色気もある。

つまり男の求める女性像がすべてある。

提灯袖に胸元のレースが女らしく、

裾はフリルがつくと華やかだ››

(本文「白割烹着」より)

 

資生堂宣伝制作室デザイナーを経て独立。

本業のかたわら日本各地の居酒屋を訪ね、

執筆を続ける居酒屋の達人、太田和彦。

彼が「ビッグコミック」で、

2008年春から2016年初夏まで8年、

200話にわたり連載した大人気コラム

「太田和彦のイケイケ居酒屋」を

加筆・再編集し上・下巻の文庫にまとめました。

 

‹‹居酒屋ほど季節感を反映する料理を

手軽に味わえるところはない。

さらにその店だけの名物もある。

忘れてならないのは日本酒の多種多様だ。

日本酒には流行があり、

それを追う興味はつきなかった。

さらに美人女将や大将、

店の人との人間的交流こそ、

居酒屋ならではの楽しみだった。

良いことだらけ、他の飲食業態では

これほどは望めないだろう››

(本文「あとがき」より)

 

女性がにごり酒を好む理由は・・・

 

居酒屋の達人にして最高の酒飲みの著者が、

酒と肴のおいしさを原寸大で伝えます。

膨大な知識もひけらかすことなく、

上からでも下からでもない文章が心地いい。

時折、挟み込まれる下ネタも茶目っ気たっぷり。

 

‹‹絞った生酒は冷やで飲むのに適するが、

お燗もやってみると独特の香ばしさが立って

おいしい。それまで生きていたのを

火入れしてしまえば元には戻れないから、

処女のお手つきみたいな快感もある(何のこっちゃ)

また大技としてにごり酒のお燗がある。

驚かれそうだが、ある蔵元で試し、

類のないスケールの豊かな味に

まさに陶然となった。

温度はやはり人肌燗だ(これは案外ぬるい)

 しかし女性がにごり酒を好むのは

それだけではない。本来、女性は白濁した

どろりした液体が好きなのだ。

ましてそれが人肌に温まると。

――と居酒屋で連れの女性に言ったら

「ヘンタイ!」と叫ばれた。

にごり酒がまわってきたらしい››

(本文「にごり酒」より)

 

全国津々浦々をめぐった8年間の思い出がここに。

巻末には「この本に登場したお店」リストも!

残念ながら閉じてしまったお店もありますが、

「こういう良さをもったお店があった」という

"移ろう時"の記録は、本書の意義でもあります。

 

人生捨てたもんじゃない・・・

そんな気にさせてくれる居酒屋は、

生きた日本の文化です!

一杯のお酒と、ぶらり旅に

ひと味くわえてくれる名文を

ご堪能ください。

 

小学館文庫

『太田和彦の居酒屋歳時記』(上)(下)

著/太田和彦

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