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2016.11.25

ゾクゾク、フワフワ、モヤモヤ・・・森見登美彦『夜行』の底知れぬ闇の魅力から抜け出せない。

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キーワード: 小説

ゾクゾク、フワフワ、モヤモヤ・・・森見登美彦『夜行』の底知れぬ闇の魅力から抜け出せない。

ダークな森見ワールドに、

ハマる人、続出!

 

森見登美彦さん、

作家生活10年目の集大成『夜行』が

発売たちまち3刷の大ヒット!

不気味な世界観と不思議な読後感に

どっぷりハマる!

 

祭りの日、忽然と姿を消した彼女は

まだ、あの夜の中にいる。

 

10年前、英会話スクールの仲間たち6人で

「鞍馬の火祭り」を見物に出かけた。

その夜、仲間のうちのひとり、長谷川さんが

忽然と姿を消した。何ひとつ手がかりを残さずに。

それから10年、彼らは鞍馬に集まった。

きっと彼女にもう一度、会いたかったからだ。

夜が更けるなか、

それぞれが旅先で出会った

不思議な体験を語り出す。

私たちは全員、岸田道生という画家が描いた

「夜行」という絵と出会っていた。

 

ゾクゾク、フワフワ、モヤモヤ・・・。

読み手それぞれが

さまざまな印象を抱く「夜行」。

不思議な世界に引き込まれたまま

出てこられなくなるような感覚も。

もう一度読めば、抜け出せるのか? と

読み返す人も多いそうです。

著者は自身のブログ

「この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ」で、

この作品は「不明朗不愉快!」と断言しています。

 

「夜行」とは夜行列車の

夜行であるかもしれず、

百鬼夜行【ひやっきやぎょう】の

夜行であるかもしれぬ。

 

登美彦氏には「明朗愉快」な作品が多いが、

『夜行』はそういう作品ではまったくない。

したがって、アハハと笑いながら読める作品を

求める方々は用心していただきたい。

 

著者の言うとおり、やはり、

謎は謎のままにしておきますか?

それでも、謎を解きにいきますか?

 

「世界はつねに夜なのよ」

 

最後に、ゾクゾク、ワクワク・・・

何度でも『夜行』を読みたくなる

本文の一部を紹介します。

 

‹‹ソ連の宇宙飛行士ガガーリンの

「地球は青かった」という有名な言葉がある。

今では宇宙からの映像など珍しくもないから、

我々はその「青さ」を知っているつもりでいる。

しかし宇宙飛行士の語るところによれば、

本当に衝撃を受けるのは

背景に広がる宇宙の暗さであるらしい。

その闇がどれほど暗いか、

どれほど空虚かということは、

肉眼で見なければ絶対に分からない。

ガガーリンの言葉は、

じつは底知れない空虚のことを語っている。

その決して写真にあらわせない

宇宙の闇のことを考えると、

怖いような感じもするし、

魅入られるような感じもする。

「世界はつねに夜なのよ」と彼女は呟きました››

 

『夜行』

著/森見登美彦

 

『夜行』特設サイト

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