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2018.1.22

「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」の名脚本家による豪剣シリーズ開幕!『提灯奉行』

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キーワード: 時代小説

「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」の名脚本家による豪剣シリーズ開幕!『提灯奉行』

初老の純情侍、御台様と恋に落ちる!

将軍正室、生まれて初めて知る異性への慕情!

 

‹‹初めて恋を知った人妻がいる。

勇敢で見境のない人妻なら、盲目となって家も亭主も捨てるかも知れない。叶わぬ恋なら心に閂(かんぬき)をかけ、恋の相手に操を立てるかも知れない。だがこの人妻にはそれができない。たとえ天が落ち、地が割れてもできない。なぜなら人妻の身分は十一代将軍・家斉(いえなり)の正室、すなわち御台所様(みだいどころさま)なのだから。

彼女は薩摩国鹿児島藩、二十五代当主島津薩摩守重豪(しげひで)の三女で、徳川将軍家へ十五歳の時に輿入れした。実名を寔子(とくこ)、通称は篤姫(あつひめ)、茂姫(しげひめ)という。››

 

文化九年(1812)六月、夏の暑い盛り。

寔子は九代将軍・家重(いえしげ)の菩提を弔うため、芝増上寺(しばぞうじょうじ)に向かっていた。

老中・牧野備前守(ろうじゅうまきのびぜんのかみ)が先導する百人あまりの行列が愛宕下(あたごした)に差しかかった時、異変は起きた。

三人の刺客が白刃を振りかざして、絢爛豪華な女駕籠(おんなかご)に襲いかかったのだ。

虚をつかれた警護の強者どもに動揺が走る。

その刹那、水無月の烈日が照りつける地を蹴って、一人の武士が馳せ参じるや、抜く手も見せず、三人を切り伏せた。

幸若舞かと見紛う鮮やかな体捌きに、その場に居合わせた一同の動きがひたと止まった。

まさに一瞬の出来事だった。

武士の名は白野弁蔵(しらのべんぞう)。

表御殿の灯火全般を差配する提灯奉行にして、御目付神保中務(おめつけじんぼなかつかさ)から陰扶持(かげふち)を頂戴する直心影流(じきしんかげりゅう)の達人だった。

そば近くに呼び寄せた弁蔵を一目見て、寔子の心にさざ波が立った。

弁蔵の胸にもほのかな灯がともる。

徳川家八百万石の御台所と、八十俵取り・御目見得(おめみえ)以下の初老の武士との秘めたる恋の芽生えだった。

それはまた、戦国の世に端を発する闇の一族から、想い人を守らんとする弁蔵の死闘の幕開けでもあった。

 

「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」の名脚本家による、書き下ろし豪剣時代小説シリーズ第一弾!!

主人公の純情侍、白野弁蔵のキャラクターが実直で魅力的!

燃え上がる恋心とは裏腹に、会うことさえもままならないふたりの関係は果たしてどのように進展していくのか?

身分の違いすぎる恋の行方が気になります。

 

小学館文庫

『提灯奉行』

著/和久田正明

 

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