安倍政権の「働き方改革」は実効性がない。

日本人の名目賃金は、過去20年間ほとんど上がっていません。

この20年間に各国が軒並み大幅に上昇しているのに対し、ただ1国、日本だけがマイナスなのです。

1970年代に20％以上と先進国の中でもトップクラスだった日本の家計貯蓄率も、年を追うごとに下がっています。

株価もまた、世界の中で日本だけがこの四半世紀もの間、低迷・・・。

世界と比べてみれば、〝日本人一人負け〟の状況です。

そうした中で、国がさまざまな政策を打ち出していますが、世界的経営コンサルタントの著者はまったくの的外れだと痛烈に批判しています。

‹‹一度も企業を経営したことがなく、今のビジネス現場も知らない政治家や官僚が、経営者の頭越しに〝上から目線〟で従業員の働き方を細かく指示する――安倍政権の「働き方改革」は、その出発点からして間違っている。

次々に打ち出されるスローガンを並べてみても、そのちぐはぐさには失笑を禁じ得ない。

◆同一労働同一賃金 →ボーダレス経済では雇用が海外に流出。賃下げ圧力になる

◆生産性革命 →ホワイトカラーの失業につながる。「人づくり革命」とも両立しない

◆正規社員化の推進 →雇用が膠着化して生産性が下がり、人手不足も解消されない

◆残業上限60時間 →残業代が減る分、総額で8.5兆円の所得減＝賃下げとなる

◆外国人労働者制限 →人手不足は解消されず、賃上げにもつながらない

◆教育無償化・給付型奨学金の推進 →能力の低い人材を量産し、生産性も低下する

よくもまあ、これだけ矛盾だらけの政策を思いつけるものだと感心させられるが、そもそも安倍政権の経済政策「アベノミクス」自体、失敗のオンパレードだ。20世紀の経済学に基づく古い政策の数々を「3本の矢」「新・3本の矢」などと名付け、文字どおり矢継ぎ早に打ち出したはいいが、ことごとく的を外し、一矢報いることすらできないまま、弓折れ矢尽きようとしている。その〝惨状〟は、21世紀における経済政策の「失敗の研究」として、経済学の教科書の恰好のケーススタディとなるだろう。››

企業や組織に貢献する〝個〟になる！

国が頼りにならないなら、自分でやるしかありません。

これからの時代はサッカーの日本代表ではありませんが、〝個〟の力を高めていく必要があるのです。

本書では、企業や組織に貢献する〝個〟になるにはどうすればよいのか？

ICT（情報通信技術）が急速に進化し、AI（人工知能）やIoT（モノのインターネット）が多くの仕事を代替すると言われる中で、必要とされる人材になるには？

大前研一氏が伝授します！

‹‹かつて巨大企業が実現していたようなソリューションを、今なら「たった一人の傑出した人間」がやってのけるかもしれない。組織や技術や資本よりも、「個人」のほうが強力にレバレッジを効かせる（＝小さな力で大きな影響力を発揮する）こと、たった一人でも「ブレークスルー」することができる時代なのだ。››

ピラミッド型組織が崩壊し、「いつでも、どこでも、誰とでも」つながる21世紀のネットワーク社会では、「エクセレント・パーソン（＝傑出した個人）」になることこそ、生き残る道。

下記4章から「ブレークスルーの鍵」に迫ります。

第1章 君たちはどう働くか――間違いだらけの「働き方改革」

第2章「エクセレント・パーソン」の条件――これからの人材戦略と教育のあり方

第3章「21世紀型ビジネス」とは何か――シェアリング＆アイドルエコノミー最前線

第4章 公務員こそ「働き方改革」を！――国を貧しくさせているのは誰なのか

今こそ、自ら働き方改革すべきとき！

大前流「働き方」の教科書は、若手・中堅社員、経営者も必読です！

『個人が企業を強くする

「エクセレント・パーソン」になるための働き方』

著／大前研一

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