お知らせ

2018.6.14

「モテたい」から始めたつもりが・・・青春をかけることに!『疾風の女子マネ!』

この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。

「モテたい」から始めたつもりが・・・青春をかけることに!『疾風の女子マネ!』

男子4×100mリレーが熱い!高校陸上部で選手と共に戦う女子マネ物語!!

神社で神職として働く主人公の自己との葛藤に迫った「ひかり生まれるところ」、中学校の教師たちを一風変わった視点で綴った「伝説のエンドーくん」・・・・・・児童文学作家として一作ごとに、新たな世界に挑み描き上げてきた、まはら三桃さん。

最新作の舞台は、陸上部です。

第28回読書感想画中央コンクール指定図書(中学校・高等学校の部)に選ばれた駅伝小説「白をつなぐ」に続く、〝走る〟ことにスポットを当てた作品になります。

ただし、主人公は選手ではなく、マネージャー。

陸上の距離も長距離ではなく、短距離。

今回も〝熱いドラマ〟がつまっています。

 

中学時代、バレーボール部だった湯田咲良は、高校ではマネージャーをやることに。

その理由は〝イケメン狙い〟。

彼女が入学した青嵐学園高校は、東大合格者2ケタ、スポーツでも成果を上げているマンモス校。

つまり、文武両道、将来有望な男子の宝庫なのだ。

 

‹‹びゅっ。

目の前で風が立った。はっと我に返った咲良が視線を向けると、背中が見えた。突風の発生源だろう。ランニングシャツに浮き出た肩甲骨と、腰のあたりまで跳ね上がるシューズの裏がやけにくっきりと見えた。だんだん遠ざかって行くのに、迫ってくるみたいな迫力だ。ふっと咲良の意識は切り替わった。

なんか、かっこいいんですけど。

DOUMOTO

ユニフォームの背中のローマ字を、迷わず咲良は追いかけた。››

 

咲良が思わず目を奪われ入部したのは陸上部。

ひとめぼれの彼はリレー選手だった――。

ミーハーな気持ちではじめた咲良は、敏腕で厳しい先輩マネージャーと行動を共にするにつれ、描いていたマネージャー像を覆され、その存在意義に目覚めていく。

 

咲良自身のおごった感情との葛藤、部員たちとの衝突などを通し、大きく成長していく姿を、痛快かつ颯爽と描いた青春物語。

熱くて、粗くて、自分が正しいと信じて突っ走っていたあの頃の記憶がよみがえり、ぐっと心をつかまれるはず。

参考文献(「朝原宣治の最速メソッド」「うまくいかないときの心理術」「記録が伸びる! 陸上競技 メンタル教化メソッド」ほか)が示すとおり、短距離やリレーの技術、スポーツ心理学についても、丁寧かつわかりやすく書かれており、中高生から大人まで楽しめること間違いなし。

爽やかな風を感じる一冊です。

 

『疾風の女子マネ!』

著/まはら三桃

 

★こちらもオススメ!

第28回読書感想画中央コンクール指定図書(中学校・高等学校の部)に! 感動の駅伝小説『白をつなぐ』

坪田譲治文学賞受賞作家の傑作が待望の文庫化!『伝説のエンドーくん』

神社を舞台に描く、爽快で温かな青春物語。『ひかり生まれるところ』

新たな青春小説の名手誕生☆ 箱根駅伝の後にはこれが読みたい! 『タスキメシ』

話題の青春映画「ニドナツ」原作小説・新装版! 『二度めの夏、二度と会えない君』

関連リンク