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2018.10.31

天皇陛下は日本一の旅人である。『旅する天皇 平成30年間の旅の記録と秘話』

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天皇陛下は日本一の旅人である。『旅する天皇 平成30年間の旅の記録と秘話』

両陛下の旅の全貌を巻頭16ページで地図や図表に!

天皇陛下が即位したのは満55歳のとき。

それから、30年公人として遠く離れた土地や島々を訪ねてきました。

歴代天皇で初めて沖縄へ。

災害発生後まもない現地へ。

太平洋戦争の激戦地へ。

驚異的な距離の旅を振り返ります。

 

巻頭に掲載した2色ページ「データで見る天皇の旅」は、平成30年間(平成30年は8月まで)の天皇皇后両陛下の旅の移動距離や訪問地など報道資料をもとに〝一目でわかるデータ〟にしたものです。

集計するのに、1年以上かかりました。

まず、宮内庁ホームページにある「天皇皇后両陛下のご日程」を30年分チェック。

さらに報道資料などを調べ、日別に訪問先や宿泊地、経路などを確認。

そして、主にインターネットの検索サービスを用いて移動距離を集計。

出てきた移動距離は驚くべきものでした。

 

新たなスタイルで人々と向き合い続けた「旅」

また、本書では、両陛下の旅先での具体的なエピソードをひもときながら、両陛下の人となり、ひいては平成という時代を浮かび上がらせます。

平成が始まったのは、1月8日。

即位後、初の地方行幸啓は、5月20日と翌日の徳島県訪問でした。

全国植樹祭への臨席が目的です。

ここで新天皇はさっそく平成スタイルを打ち出します。

 

‹‹それまで天皇陛下の地方行幸に際しては、三権の長(総理大臣、衆参両院議長、最高裁判所長官)が見送ることが慣例だった。ところが、この日、タラップまで見送ったのは、衆議院議長の原健三郎と植樹祭の主催団体の所轄官庁である林野庁を統括する農林水産大臣の羽田孜、警備の最高責任者である警視総監の大堀太千男ら計8名のみ。

現地への移動は特別機だったが、機内では同行の関係者席との間を仕切るカーテンは廃止された。昭和初期の地方行幸の場合、訪問先の知事が天皇のお泊り所を訪ね、県政の概要を説明することが常だったが、これも天皇陛下が県庁に足を運ぶやり方に改めた。旅先の昼食も、知事などとの会食形式に変更されている。

さらに陛下は、警備の簡素化を実施に移した。車の窓を開けて奉迎の市民一人一人と視線を交わしながら応える、中央分離帯のある道路などでは反対車線は通常の交通とする、警備陣の8割を私服警官とし目立たなくする・・・・・・。ひとつひとつは小さなことかもしれないが、いかめしく近寄り難かった皇室の印象を和らげることに成功している。››(本書「平成スタイルの旅は徳島から」より)

 

平成時代の天皇・皇后両陛下の旅の全貌を伝える一冊。

 

〈目次〉

はじめに

データで見る天皇陛下の旅

平成元年(1989) 平成スタイルの旅は徳島から 

平成2年(1990) 即位の礼と三大行幸啓 

平成3年(1991) 避難所の床に膝をつき見舞う 

平成4年(1992) 歓迎の拍手を受けた中国訪問

平成5年(1993) 歴代天皇で初めて沖縄へ

平成6年(1994) 戦地慰霊の旅はつづく

平成7年(1995) 被災地の避難所へ励ましの旅

平成8年(1996) 御用邸で静養中も実はお忙しい

平成9年(1997) 「全国豊かな海づくり大会」とは

平成10年(1998) 長野パラリンピックでウエーブ

平成11年(1999) 宮中茶会と天皇陵参拝

平成12年(2000) オランダでの長い黙祷

平成13年(2001) 国賓へのおもてなし

平成14年(2002) 冷戦終結でかなった東欧の旅

平成15年(2003) 13年ぶりに訪れた軽井沢

平成16年(2004) 記憶に残す、母と娘の旅行

平成17年(2005) サイパン断崖から鎮魂の祈り

平成18年(2006) 島民の声に応えて三宅島へ

平成19年(2007) 魚類学者としての顔

平成20年(2008) ブラジル移住100年の重み

平成21年(2009) 結婚50年、こどもの国に集う

平成22年(2010) 皇室が受け継いできた養蚕

平成23年(2011) 東日本大震災の被災地を巡る

平成24年(2012) 東京駅からお召列車で出発

平成25年(2013) 水俣訪問の約束を果たす

平成26年(2014) 対馬丸犠牲者の慰霊で那覇へ

平成27年(2015) パラオと北原尾のつながり

平成28年(2016) ハマギクが復興の支えとなる

平成29年(2017) 「私的旅行」に、にじみ出る思い

平成30年(2018) 最後の年に南と北の島へ

イラスト・コラム 天皇陛下の乗り物1、2 

イラスト・コラム 天皇陛下の乗り物3、番外編 

参考文献

 

『旅する天皇

平成30年間の旅の記録と秘話』

著/竹内正浩

 

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