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2019.1.26
池上彰が徹底追究!ロシアの本音はどこにある?『池上彰の世界の見方 ロシア 新帝国主義への野望』
この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。
「北方領土問題」「国際紛争への介入」「新帝国主義」・・・プーチン大統領は脅威か?
1月22日、安倍晋三首相はクレムリン(大統領府)でロシアのプーチン大統領と会談しました。
平和条約締結を目指して会談に臨んだ両首脳でしたが、交渉に進展はなし。
プーチン大統領は平和条約について、「日露関係を質的に新たな水準に押し上げ、長期にわたり全面的に発展させていくこと」と考えを表明したことで、交渉が長期化するとの見方が広がっています。
「恐ろしい」と「ロシア」を合体させた造語「おそろしあ」という言葉があるくらい、〝怖い国〟という印象のあるロシア。
イギリスに亡命していた元ロシア軍のスパイの男性が毒ガスで殺されかかったり、放射性物質で殺害されたり、はたまたウクライナやシリアなど国際紛争への介入が繰り返されたり・・・。
野蛮な行為を続けているように見える彼らの本音はどこにあるのか?
日本はどうやってこの恐ろしい隣国と付き合っていけばいいのか?
北方領土問題は解決するのか?
「怖い国と決めつけるのは危険なこと。そこには、それなりの事情がある」
と語る池上彰氏が、ロシアに関する疑問を徹底追究します!
‹‹両国の間には「北方領土」という複雑な問題が横たわっています。このため、日本とロシアの間には、いまだに平和条約が結ばれていないのです。日本としては、「領土問題を解決して平和条約を結ぼう」とロシアに働きかけてきました。ところが、2018年9月になってプーチン大統領が突然、「前提条件なしに平和条約を結ぼう」と言い出しました。これをどう受け止めればいいのか。
日本は「領土問題を解決して平和条約を結ぼう」と言ってきたのに、ロシアは、まず「平和条約を結ぼう」と言い出しました。ということは、領土問題は棚上げにしてしまおうというのでしょうか。
実はロシアがソ連だった時代の1956年、日本とソ連は国交を回復しました。平和条約は結んでいませんが、「国同士のお付き合いはしていきましょう」と約束したのです。それが「日ソ共同宣言」です。
この時、ソ連は「平和条約を結んだら、歯舞、色丹を日本に引き渡す」と約束しました。もしプーチン大統領の発言が、この日ソ共同宣言にもとづくものであれば、平和条約を結んだ後で、歯舞、色丹については日本に返還するつもりがあると言っている解釈することも可能です。
しかし、日本が要求しているのは、北方領土の歯舞、色丹、国後、択捉の4島です。プーチン発言は、それを2島だけで終わりにしようと提案しているようにも解釈できます。さて、これから日露関係は、どうなるのか。なかなか先が見えない状態が続いています。››
隣の大国でありながら、ロシアのことを私たちはどこまで知っているだろうか。
北方領土問題をめぐるロシアの言い分と日本の主張の食い違いは何か?
建国当初は世界の期待も大きかったソ連型社会主義はなぜ崩壊したのか?
今のロシアはソ連の時代と同じなのか、違うのか?
絶大な権力を握るプーチン大統領はロシアをどこへ持っていきたいのか?
ロシアという国の基礎基本から、今後ロシアがどのような方針を打ち出しそうか、というところまで考えていこうというのが、この本の狙いです。
渋谷教育学園渋谷中学校・高等学校、同幕張中学校・高等学校の生徒たちに行った渾身の授業をもとに構成。
著/池上 彰
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