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2019.4.25
危険だとわかっていたのに止められなかった日本軍と黒田日銀の驚くべき相似!『日本銀行「失敗の本質」』
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行き着く先は第2の敗戦?アベノミクス・異次元緩和の危うい軌跡
「異次元緩和」「マイナス金利」「枠組み変更」・・・黒田日銀はなぜ「誤算」の連続なのか?
なぜ無謀な政策なのに、継続するのか?
政策の体を成していない安倍政権の危うい経済政策を揶揄するつもりで「アベノミクス」と呼び、いち早く警鐘を鳴らした朝日新聞編集委員が、その疑問を解くヒントを、泥沼の戦争に突き進んでいった日本軍の教訓に求めていく。
‹‹メディアも有識者も経済界も、この政策をまったく批判しなくなったら、それはまるで戦時中の大政翼賛会のようなものだ。あまりに無謀な太平洋戦争を引き起こした戦争責任は時の政権や軍部にある。だとしてもそれを無批判に受け入れ、時に支持したメディアや有識者たちにも責められるべき点が多々ある。つくりだされた世論の熱狂が、結果的に戦争を容認し、軍を戦争に向かわせたということもできるからだ。
批判を許さない抑圧的な体質も、都合のいい事実やデータだけを用い、都合のいいことしか説明しない、させない、という大本営的な手法も、戦前や戦中に通じるもののように思える。私たちは今、相当に危なっかしい時代の淵に立っている。
80年前の「戦争の危機」と、現代の「経済の危機」を同列に論じるのはいかがなものかという批判があるかもしれない。もちろん単なる印象だけで、戦争と経済を同列に論じてはいけないし、置かれた状況の違いもたくさんある。
とはいえ、太平洋戦争の歴史と、アベノミクス・異次元緩和の経緯を並列して振り返ると、それぞれがたどった軌跡や組織としての行動パターンが驚くほど似通っている、というのが実感だ。なぜそうした相似が見られるのかについて、本書では丹念に考察していきたい。››
ベストセラー『失敗の本質』で指摘されている日本軍の欠陥分析を参考に、黒田日銀の抱える問題点を丹念に検証!
「誤算」と「迷走」を重ねる黒田日銀の金融政策は、かつての日本軍の失敗を彷彿とさせる。
「異次元緩和」は真珠湾攻撃
「マイナス金利」はインパール作戦
「枠組み変更」は沖縄戦
組織論の観点から見ても、「あいまいな戦略目的」や「短期決戦志向」「属人的な決定プロセス」など、両者は驚くべき相似をなす。
危険だとわかっているのに止められない・・・・・。
その行き着く先は「第2の敗戦」ではないのか――。
間違った金融政策を修正できない政府・黒田日銀の問題点を浮き彫りにする、金融関係者・ビジネスマン必読の書。
〈目次〉
プロローグ――批判を許さない「危うい空気」
第1部 黒田日銀「迷走の軌跡」
――「時系列」から考える相似――
〝開戦前夜〟――あらかじめ定められた目標
1 失敗の発端 [2012年12月]「主戦論」への転換 ▼【ノモンハン事件】
2 奇襲 [2013年4月] 「異次元緩和」という名の宣戦布告 ▼【真珠湾攻撃】
3 転機 [2014年10月] 誤った成功体験が生んだ「追加緩和」 ▼【ミッドウェー海戦】
4 強行 [2016年1月] 無謀すぎる賭け「マイナス金利」 ▼【インパール作戦】
5 誤算 [2016年9月] 「総括的検証」から異形の政策へ ▼【レイテ沖海戦】
6 泥沼 [2018年3月] 黒田再任で長期戦に ▼【沖縄戦】
第2部 アベノミクス「失敗の本質」
――「組織論」から考える相似――
1 あいまいな戦略目的――「デフレ脱却」とは何か
2 短期志向の戦略立案――「2年で達成」と断じたインフレ目標
3 空気の支配・非科学的思考――「アベノミクスは成功」連呼
4 進化しない戦略・乏しい選択肢――代案なき政策の長期化
5 属人的な決定プロセス――リフレ派に席巻された決定会合
6 修正されない組織――「とりあえず現状維持」で先送り
7 結果よりプロセス重視――「やった感」より「やってる感」
8 言葉を奪った組織――セントラルバンカーたちの苦悩
9 繰り返される大本営発表――〝真実を伝えない〟ための会見
10 財政ファイナンスの罠――危機下の蔵相、戦時の総裁
第3部 〝平和な終戦〟はありうるか
――「誤算」続きの黒田日銀が残した教訓――
1 迷走する経済政策
2 「第2の敗戦」へ
3 来たるべき“破局"の前に
エピローグ――「第2の敗戦」に〝奇跡の復興〟は訪れない
著/原 真人
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