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2019.4.8

佐藤優×片山杜秀「ファシズムの本当の出番はこれからだ」『現代に生きるファシズム』

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佐藤優×片山杜秀「ファシズムの本当の出番はこれからだ」『現代に生きるファシズム』

「平成史」に続く、「知の巨人」対談の第二弾テーマはファシズム!

元外務省主任分析官・佐藤優氏と思想史研究者・片山杜秀氏による白熱対談!

資本主義が崩壊し格差の広がった現代。

アメリカのトランプ大統領、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席、そして日本の安倍晋三首相にも・・・ファシズムという妖怪が取り憑き始めている。

それはバラバラになった個人を束ねる劇薬だ。

効能バツグン、だからあぶない。

資本主義に危機が訪れれば、いつでもファシズムは姿を現す。

いま、その危機が迫っているが「日本人はあまりにも無防備だ」(佐藤氏)という。

 

‹‹片山 「アメリカ第一主義」を掲げるトランプの例を出すまでもなく、強権的な国家が世界中に台頭してきた背景を「平成史」でも佐藤さんと語り合いましたね。かいつまんで説明すれば、こうなりましょうか。

9・11をきっかけに全世界は危機の時代に突入した。世界中でテロがひんぱんに引き起こされるうえ、日本では原発事故が発生し、北朝鮮が核ミサイルを開発する。現在の世界情勢では、一寸先はどうなるか分からない。慢性的な準戦時なのです。グローバル経済の影響で全世界的に格差社会が出現したこともあり、世界を不安が覆っている。民主主義社会であるならば、諸政党に集約される国民諸々の立場のあいだで議論が行われ、多数の合意できる方向性を不断に更新しながら、安定し持続性のある社会を継承発展させていこうと考える。平和で、しかも成長モデルが比較的見えている時代ならそれでいい。議論を尽くして様々な選択を試せばいい。けれど、危機の時代では悠長に議論し、立場の異なる国家同士、あるいは政党同士、社会層同士の利害の落としどころを見つける時間的な余裕がなくなっている。しかも、特に経済の構造の複雑化が、仮に時間をかけて議論しても、落としどころを見つけることを、とても困難にしている。その隙間に、どんどん強権が入り込んでゆく。

佐藤 トランプも様々な批判がありますが、ユダヤ系アメリカ人の悲願であるエルサレムへの大使館移転をあっという間に実現してしまいましたからね。またイランとの核合意も離脱し、北朝鮮の金正恩との首脳会談まで行った。

片山 ロシアのプーチンも、中国の習近平も、トリコのエルドアンも、フィリピンのドゥテルテも同じタイプの政治家です。いまは、そちらが主流派になってしまった。もちろん、日本も例外とは言えないでしょう。

佐藤 そんな時代において、ファシズムとは何かを改めて考えていく必要があると思うのです。日本のファシズムを考えることは、日本社会に内包する普遍的な問題を読み解く一つの鍵になるはずです。››

 

知の巨人が、「ファシズムの本質」に迫り、「日本はファッショ国家になり得るのか」踏み込んだ議論を展開する。

こちらは本書では交わされた内容の一部!

 

〝産みの親〟ムッソリーニは何した人?

■ ヒトラーは日本人を蔑んでいた?

■ 戦前日本でファシズムが「未完」に終わった理由。

■ 官僚制と折り合いがいいのはなぜ?

■ ジブリ映画「風立ちぬ」に隠されたファシズム。

■ 安倍政権はファシズムなのか?

 

来たるべき時代に備え、ファシズムを正しく理解するための書。

 

小学館新書

『現代に生きるファシズム』

著/佐藤 優 著/片山杜秀

 

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