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2019.7.16
「設定された女は無理ゲー!」ジェーン・スー×中野信子『女に生まれてモヤってる!』
この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。
「女の落とし穴」にハマらないための67のヒント
女らしいは損か? 得か?
女らしさは誰のために存在する?
そもそも世間が考える女らしさって何?
「自分らしくいればいるほど、〝女らしさ〟からかけ離れていった」コラムニストのジェーン・スーと脳科学者の中野信子が、〝女らしさ〟という名の呪縛を解き明かします!
‹‹人生をゲームにたとえ「女の人生はイージーモード」と言う人がいますが、設定された女をやり続けること自体が私にとっては無理ゲーでした。でも、それは私のゲーマー能力が低いからではない。それに気づいたとき、とてつもない解放感がありました。
ある日、まったく異なる人生を歩んできた脳科学者の中野信子さんと話をしていたら、中野さんも「設定された女をやり続けるのに困難を感じたことがある」と言うではありませんか。女に生まれたというだけで、個性や実力が身近な人からないがしろにされるなんてことが、彼女の身にも起こっていたのです。
本著は、中野信子さんと私がプレイしてきた人生ゲームのバグ報告書です。このプログラムだと、どう頑張ってもうまくいかないようにできているよ、という例を思いつくままに挙げてみました。仕組みがわかれば、それにどう対峙するかはあなた次第です。››(ジェーン・スー「はじめに」より)
対談の冒頭で、まずは思いつくかぎり、<女であることのメリット>と<女であることのデメリット>をズラリ並べてみました。
【女であることのメリット】
◆ メイクやファッションを楽しめる
◆ 男性におごってもらえる機会がある
◆ 力が弱いため、男性にフォローしてもらえる場合がある
◆ 妊娠・出産を体験できる(人もいる)
◆ 組織や社会からの期待度が低いため自由度が高い場合もある
【女だからこそのデメリット】
◆ 身ぎれいでいることを社会から期待される
◆ 毎月の生理による肉体的・精神的負担がかかる人もいる
◆ 妊娠・出産による身体的負荷が大きい
◆ 生殖可能な時期が男性より短い
◆ 育児に割くコスト(時間、労力)が大きく、男性よりもキャリアに影響が及びがち
◆ 身体能力の差が不利に働く場面が多い(犯罪被害)
◆ 常にセキュリティー面で注意が必要になる
◆ 組織や社会からの期待度が低いため実力を発揮できない場面がある
この中で、世間的には得だと思われている男性からの庇護について、ふたりは異なる意見をもっています。
スー 美人から離れて、「おごられ」問題に話をちょっと戻すね。「女はおごってもらって当然」という女性もいれば、「女はおごってもらえるからラッキーだよな」と見る男性もいる。でも、おごられるって、場合によっては自己決定権を手放すことですからね。
中野 もう本当にそれ。以前、明石家さんまさんのテレビ番組に出演したときに、収録の現場で「女の子だって男におごってもらえたら嬉しいやろ?」ってさんまさんがゲスト陣に振ってきたんですよ。それに対してバブル世代の女性が「まあ、高いものをおごってもらえたら嬉しいですね」と答えたのね。彼女はそういうパラダイム(認識の枠組み)を自己アピールのポイントにされてもいる方で、もちろんそういう考え方もありだとは思う。でも、私自身はおごられることは好きじゃない。できれば避けたい。
それってなぜなんだろうとじっくり考えてみたんだけど、結局はさっきスーさんが言った「自己決定権を手放すことだから」なんだよね。おごられることを受け入れるのは、相手の支配を受け入れることと等価になる。
<中略>
スー 誰がどの視点から語るかで、同じ現象がまったく別モノに見えてくるのが損得問題だよね。ただ、声を大にして言いたいのは、「世間の考える女の得って、最後は行き止まり」ってこと。その場その場でお得なことはあるんですよ。お金が浮くとか労力がいらないとかね。でもそういう「得」は、年齢を重ねていくと必ず行き止まりになる。
中野 自分を支配しようとする相手にパラサイト(寄生)することでしか得られない得だからだよね。だから離別や死別で宿主がいなくなると、次をすみやかに見つけないと、どうにもならなくなる。
「女に生まれてモヤってる!」あれこれを、機知に富むふたりが見事に言語化。
隣のテーブルからこんな女子会トークが聞こえてきたら、気になりすぎて席を立つことができない。
これからの時代を生き抜くための女性の戦略とは・・・?
あなたのモヤモヤがきっと晴れる一冊。
‹‹私たちは、迷い、間違える。
正しい答えを選べない個体が多数派なのは、そういう個体がより多く生き残ったからだ。すみやかに最適解を選ぶ個体が少数派なのは、彼らの戦略が、逆説的だが最適ではないからだ。迷い、選べないというその機能こそが、残るために何らかの理由で必要とされたのだ。
人類の進化はほとんど終わっていると言われている。とすると、人類はこれで完成形なのだ。ある確率で最適解を選ばないことが、私たちの繁栄のカギであったのなら、今もその性質が私たちの中に残っている理由が明確になる。いわば私たちは、よく迷い、よく間違えるように仕組まれている。
セレンディピティ、とそれを呼ぶ人もいる。これは一見、想定外のように見える何かの中から、新しい何かが拓けていくことを言う。重要な科学上の発見の多くは、想定外の結果や失敗した実験の中から生まれている。››(中野信子「おわりに」より)
著/ジェーン・スー 著/中野信子
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