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2020.2.17

亡き母からの手紙が少女を勇敢に変えていく。小手鞠るい著『窓』

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亡き母からの手紙が少女を勇敢に変えていく。小手鞠るい著『窓』

小学館児童出版文化賞受賞後第一作!

「ある晴れた夏の朝」で小学館児童出版文化賞を受賞した著者よる受賞後第一作は、これまでにない、母と娘の新しい関係の物語。

 

ある日、窓香の元に外国から届いたオレンジ色をした大型の封筒。

中に入っていたのは一冊の美しいノートだった。

 

ノートの最初のページは、白紙。

一枚めくると、なつかしい手書きの文字が並んでいた。

もう何年も目にしたことのなかった、それは、大好きだったマミーの文字だった。

大きくて、まんまるで、のびやかな文字。

ところどころ、けい線から、野放図に飛び出している文字を、わたしは目で追った。

体のなかお器が涙でいっぱいになって、外にあふれでそうになる気持ちを、懸命におさえながら。

  (『窓』より抜粋)

 

今はもうこの世にはいない母からの手紙。

窓香が幼いころに父と離婚し、異国の地で離れて暮らしていた母は、どのように生きていたのか?

窓香に伝えたかったこととは?

ひとりの女性である母の生き方を知ることで、大きく成長する少女の姿を描く。

 

  肯定的に見れば

  この世には希望が

  否定的に見れば

  この世には苦悩が

  満ちあふれている

  つまり私は

  私の窓を通してしか

  この世界を見ることができないし

  この世界を創ることができない

  ならば私は

  心の窓をみがいて

  徹底的にみがきぬいた窓を

  大きく大きく開いて

  この世界を見ようと思う

    (『窓』より抜粋)

 

「他人の窓、世間の窓から見える風景ではなくて、自分の心の窓を開いて、自分や世界を見つめて下さい、というのが、『窓』の読者へのメッセージです」――小手鞠るい

 

本の目利きの金原瑞人氏(翻訳家・児童文学研究科)が大絶賛!

「世界をみる鋭い視線、まわりの人々をみる温かい視線、自分をみつめる厳しい視線。目を開き、心を開き、想像することの大切さ。この小説はこれらはすべてが同じものなんだということを教えてくれる」

 

『窓』

著/小手鞠るい

 

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