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2020.12.14

旅への欲求は「読書で満たされる」浅田次郎著『見果てぬ花』

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キーワード: エッセイ 旅

旅への欲求は「読書で満たされる」浅田次郎著『見果てぬ花』

笑って、泣いて、笑って、感情の振り幅最大級の傑作エッセイシリーズ!

「旅に行きたいという欲求も、読書によって満たされるということを知ったのが、コロナ禍における発見のひとつでした。僕のエッセイや小説も旅をテーマにしたものが多いので、この機会に多くの方に読んでもらえたらうれしいですね。パリでもローマでも、どこへでも行けますよ」

ベストセラー作家・浅田次郎の「つばさよつばさ」 「アイム・ファイン!」 「パリわずらい 江戸わずらい」 「竜宮城と七夕さま」に次ぐ傑作エッセイシリーズ第5弾が登場。

 

«今さら何だが、温泉が好きである。ただの愛好家ではない。温泉を切らすと体調も機嫌も悪くなり、筆は進まなくなる。中毒、もしくは依存症である。温泉宿で原稿を書くなど、ちゃんちゃらおかしい。読書すらせずにひたすら湯に浸かり続け、湯あたりもヒートショックも怖れず、一泊二日で七セットを勤めとする。十三セット目に気を喪ったこともある。»

北海道で遭遇したとんでもないスケールの大浴場を描く「忘れじの宿」

 

«ジビエと臓物はダメ。ということは、悲しいかなフレンチは高級になればなるほど食べられぬ。

B級グルメでは、モツ鍋も牛タンもダメ。羊肉もシャブシャブは好物だがジンギスカンは苦手と、これはてんで根拠がない。また、馬肉に関しては競馬歴五十年、馬主歴二十年という明確な根拠により食う気になれぬ。»

三十歳から肉類を食べるようになった著者が、食べものの好き嫌いについて考察する「偏食の理由」

 

«私はけっしてミステリー作家ではないのだが、このごろ本稿ではなぜか謎めいた話が多くなったように思える。てんで作意はない。すべては私の身のまわりに起こった出来事を、ありのままに書いている。つまり、年を食うと世の中が見えるどころか、いよいよわけがわからなくなる、ということなのであろう。

そこで今回は、何カ月か逡巡したあげくに、極め付きのミステリーを書く気になった。»

突然、送られてきた驚きの一通を解読する「南アフリカからの手紙」

 

国内外での抱腹絶倒の出来事から心くすぐる身近な出来事まで、絶妙の筆致で描く全41篇。

「旅というのは年を取れば取るほど楽しめる」ことを存分に追体験できる随筆集です。

 

『見果てぬ花』

著/浅田次郎

 

【著者プロフィール】

浅田次郎(あさだ・じろう)

1951年東京生まれ。97年『鉄道員』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、『お腹召しませ』で06年中央公論文芸賞、07年司馬遼太郎賞、08年『中原の虹』で吉川英治文学賞、10年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、17年『帰郷』で大佛次郎賞を受賞。他の著書に『プリズンホテル』『蒼穹の昴』『つばさよつばさ』『アイム・ファイン!』『パリわずらい 江戸わずらい』『わが心のジェニファー』など多数。15年紫綬褒章受章。19年菊池寛賞受賞。

 

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