16歳の高校生が明かす、日本人の「パラドックス」を解決するヒント

日本人の「幸福度」が低いと世界で報じられ始めてからずいぶん時間がたちますが、特に日本の子どもの問題に関しては、近年「パラドックス」として多く論じられています。

ユニセフの2020年発表によると、先進38カ国中、日本の子どもの「身体的健康」は1位、「精神的幸福度」は何と37位でした。

スイス・ベルギー・日本の3か国にルーツを持ち、4か国で生活してきた著者は、最年少11歳で「世界遺産検定マイスター」に合格しました。

現在は京都で暮らす16歳の高校生で、『世界ふしぎ発見！』などの番組レポーターとしても活躍中です。

彼は生まれたときから「人はみんな違うことが当たり前」「世界は多様なもので構成されている」ことを、身をもって認識してきました。

世界の暮らしでは理不尽な出来事もありましたが、文化・自然・芸術などのさまざまな「WOW（感動）ファクター」に触れることができたおかげで、乗り越えられたそうです。

«WOWファクター。心の火打石。それは誰もが得ることができる、自分を前向きにさせてくれる、感動です。テレビや映画で、英語を話す俳優やタレントが「WOW！」と目を丸くしている場面を見たことがある人も多いと思います。このWOWは、芸術・建築・音楽・経験・眺望など、あらゆるカテゴリーで特別なものを目の当たりにして、通常の言葉ではとても表すことができない感激や感動、驚愕、畏敬の念などを表現するときに口にしてしまう言葉です。言葉を失うほどの感動や衝撃。後ほどまた詳しく説明しますが、WOWファクターは、そんな感動や感激をもたらす元になる物や現象、出来事の本質を指します。»

（本文より）

WOWについて著者は、どこにでも存在し、それに気づく力が重要で、それこそが「パラドックス」解決の最初の鍵になる、といいます。

«失敗したときや物事がうまくいかなかったときも、心の中にWOWの貯金があれば、困難を乗り越えられるのです。特に、先の見えないこれからの時代にはWOWを感じる心が必要だし、できれば多くの方に自分の中のWOWに気づいてもらいたいと思っています。WOWに気づく力は、誰もが持っているはずですから。

また、自分がWOWを持っていれば、相手にもWOWがあるのだろうと、自然に想像することができるのです。そこから生まれるのが、プラスの交流です。僕も、幼少期から多様な場所で暮らし、さまざまな背景を持つ人たちと交流してきて、一つひとつの出会いこそが、かけがえのない財産だと感じています。»

（本文より）

「WOW」体験を積むことがどれだけ人の心を強くするのか。

また、「心躍る（感動）」→「もっと知りたくなる（学ぶ）」→「人と繋がる（アウトプットしたくなる)」→「自信がつく（自己肯定感）」というWOW効果について、世界遺産を含む多くのWOWファクターを紹介しながら綴ります。

〈目次〉

第1章　世界との出合

第2章　人生を変えた世界遺産

第3章　前を向く勇気をくれるWOWの力

第4章 「理不尽さ」を乗り越える

第5章　自分を信じる力

さいごに

『WOWファクター

心の中の平和のとりで』

著／山本・リシャール登眞 

【著者プロフィール】

山本・リシャール登眞

（やまもと・りしゃーる とうま）

2005年10月29日、フランス・リヨン市生まれ。2022年6月現在、京都市在住。2016年冬、11歳で世界遺産検定の最高位「マイスター」を史上最年少で取得し、注目される。2019年2月からテレビ朝日『サンドウィッチマン＆芦田愛菜の博士ちゃん』にて「世界遺産博士ちゃん」として活躍。TBS『日立 世界ふしぎ発見！』に同年7月から回答者として、2020年12月からミステリーハンターとして出演。世界遺産アカデミー認定講師。特に世界遺産の「平和の砦」や「多様性」「普遍性」という側面を研究している。2021年8月、世界遺産アカデミーのオンライン特別講座「世界遺産条約採択50周年を迎えるにあたって～世界遺産条約と関連文書の成り立ちや変遷、現代における課題を考える～」を担当。本書が初の著書となる。

★　こちらもオススメ！

宇宙飛行士に愛される宇宙食をつくったのは、高校生！？『宇宙食になったサバ缶』

大人気小説「ロボット・イン・ザ・ガーデン」が、二宮和也さん主演でついに映画化！ 待望のシリーズ最新作も登場！！

大ベストセラー「石の図鑑」が最新の発見を盛り込みパワーアップ！『［新版］岩石･鉱物･化石 DVDつき』

やりたい「夢」がない人のほうが成功しやすい！？『やりたいことが見つからない君へ』

アメリカ人留学生が日本文化への愛と知識で事件に挑む！『ナゾトキ・ジパング』