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2022.8.19

日本と天皇家の「昭和」を裏側から照射する〝王家崩壊の物語〟『転生』

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日本と天皇家の「昭和」を裏側から照射する〝王家崩壊の物語〟『転生』

知られざる歴史のディテールを描く第一人者の牧久が、満州国の真実に迫る超弩級歴史大作!

清朝最後の皇帝「宣統帝」、満州国初代皇帝「康徳帝」、中国共産党の思想改造教育を受けた後は北京市民・・・三つの人生を生きてきた愛新覚羅溥儀(あいしんかくらふぎ)。

玉音放送を聞き、満州国皇帝を退位すると亡命先の日本を目指したが、ソ連軍に捕まりハバロフスクに抑留され、「東京裁判」にソ連側証人として出廷する。

彼がもし、京都への亡命が成功していたら・・・。

一方、日本の公家の娘・嵯峨浩(さがひろ)を生涯愛し、終戦直後に生き別れとなるものの、のち奇跡の再会を果たした弟・溥傑(ふけつ)。

溥儀・溥傑兄弟にとって満州国とはなんだったのか?

柳条湖事件を仕掛けた石原莞爾、「新幹線の父」十河信二、張作霖爆殺事件の実行犯・東宮鐵男、「中国通の外交官」吉田茂、盧溝橋事件の口火を切った東條英機・・・さまざまな人物が交錯した「満州国」。

今の中国では「偽満州国」と呼ばれ、「うそ・いつわりの国家」となったこの国の物語は、300万人の命を呑み込んだ後も続いていた――。

作家・浅田次郎の「蒼穹の昴」の時間と空間を舞台に、清朝のラストエンペラー・愛新覚羅溥儀と溥傑兄弟の数奇な運命を余すことなく辿る完全版評伝。

 

«浅田氏の小説は、西太后や溥儀、張作霖(ちょうさくりん)とその息子・張学良(ちょうがくりょう)など実在した人物に加えて、魅力的な架空のキャラクターを登場させることで歴史の空白を想像力で埋めた稀有壮大な人間群像ドラマだ。本書は、浅田氏がとった小説的手法ではなく、実在の人物、しかし、石原、十河、加藤、東宮という日本人の視点ではなく、満州国皇帝となった愛新覚羅溥儀という満州人とその弟の溥傑、溥傑と結婚して満州人となった浩と、ふたりの間に生まれた姉妹、慧生(えいせい)と嫮生(こせい)の人生を辿ることで、まぼろしの国「満州国」にアプローチする試みである。»

(本文より)

 

昭和天皇が「独白録」冒頭で語った「国民的憤慨を背景として一度、軍が立ち上がった」舞台となった満州国にかかわる資料や証言を検証して見えてきたものとは・・・?

『昭和解体』『暴君』の著者畢生の書き下ろし。

 

〈目次〉

第一章 中国最後の皇帝・溥儀

第二章 紫禁城追放と復辟の夢

第三章 満州国の誕生

第四章 満州国の康徳帝と秩父宮

第五章 天皇家との一体化の夢

第六章 満州国に天照大神を

第七章 原爆、ソ連侵攻そして天子蒙塵

第八章 満州国消滅

第九章 溥儀の”証言と告白”

第十章 周恩来

第十一章 文化大革命の嵐の中で

終章 あいよって命を為す

 

『転生

満州国皇帝・愛新覚羅家と天皇家の昭和』

著/牧 久 

 

【著者プロフィール】

牧久(まき・ひさし)

ジャーナリスト。1941年(昭和16年)、大分県生まれ。64年(昭和39年)日本経済新聞社入社、東京本社編集局社会部に所属。サイゴン・シンガポール特派員、89年(平成元年)、東京・社会部長。その後、代表取締役副社長を経て、テレビ大阪会長。

 

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