小学生のアキオ、大介、麻里は、夏の学童キャンプで、夜、ホタルを見るため、宿を抜け出し、川に向かう。ようやく川にたどり着いた3人は、偶然ラジオから流れる謎の深夜放送を耳にする。その後、中学で野球部に入ったアキオは、一学年先輩の放送部員・里﨑さんを好きになるが、告白できないまま、時間が経過する。高校生になったアキオは、夏休みに 、かつてのキャンプ場を訪れる。そこでまたしても謎のラジオ番組を聞き、あることに気づく。それから、また時間が流れ、アキオたちは大人になった――。深夜ラジオ放送の謎が明かされ、やさしい奇跡が起こる。
■この本の推薦者 作家 中村 航さん
1969年、岐阜県生まれ。2002年、「リレキショ」で文藝賞を受賞しデビュー。「ぐるぐるまわるすべり台」で野間文芸新人賞受賞。「100回泣くこと」が累計50万部を突破する。ほかに「あのとき始まったことのすべて」など。