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ポケモンの世界を、絵本作家の個人的な体験を織り交ぜながら描いた、 ポケモン創作絵本『ポケモンのしま』が、いよいよ発売されます。 著者のザ・キャビンカンパニーのお二人のアトリエにうかがって、 この絵本にまつわるエピソードをうかがってきました。

ポケモンがなければ、ザ・キャビンカンパニーは存在しなかった!?

ザ・キャビンカンパニーは、阿部健太朗さん、吉岡紗希さんのご夫婦二人でやっている絵本作家ユニット。日本絵本賞読者賞を2度も受賞し、いま最も注目されている若手絵本作家といえます。 制作の拠点は、大分の山中にある廃校小学校。元職員室の玄関を開けると、絵の具や筆が所狭しと並ぶ机で、二人がせっせと作業中。廊下側の窓枠には、年季の入ったポケモンのぬいぐるみがわいわい並んで、二人の作業を見守っています。

このポケモンのぬいぐるみは、わたしが子どものころにおばあちゃんが縫ってくれた、手作りのぬいぐるみなんです。小学生のころ、本当にポケモンが大好きだったので。

ぼくも小学2年生のころに、ゲームボーイの『ポケットモンスター 赤・緑』が発売されて、それからはもうずっと、ポケモンが大好きだった小学生時代を送りました。学校では友だちとポケモンの話をして、学校から帰ったらポケモンをやって。ポケモンのことをふり返ると、一緒に子ども時代のことがぶわっとフラッシュバックしてくるような感じで、子ども時代とポケモンは、切っても切り離せないですね。

当時、ポケモンの世界が、現実の世界と混じり合っているようでした。ゲームの中に本当に入りこんで、探検したり、ポケモンを集めたりしていましたから、ドット絵だったのに妙にリアルにイメージしていました。逆に、現実に森で虫とりするときは、ポケモン図鑑を作るかのような感覚になっていました。ポケモンと共に過ごした子ども時代だったんです。

ぼくらは、大学が同じ学部だったんですけれど、最初に話すきっかけになったのも、実はポケモンなんです。入学当初の親しい友人もいない中、吉岡とポケモンの話ですごく盛り上がった。それで意気投合して、一緒に何か制作しようか、という流れになっていったんです。

ポケモンがなければ、私たちは一緒に組んでなかったかもしれません。

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