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2016.2.17
「正しいことを貫く」母の影響から生まれた稲盛和夫の経営哲学。 『ごてやん 私を支えた母の教え』
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「お母さん・・・・・・
一人でいるときに、ふとこの言葉が口をついて出てくることがある」
京セラ、KDDIの創業、近年では破綻した日本航空の再生などで知られる、日本を代表するビジネスリーダー・稲盛和夫氏が、母・キミさんの影響から生まれた経営哲学について綴ったのが本書『ごてやん 私を支えた母の教え』だ。稲盛和夫という人間がどのように形成されていったのか、「ごてやん」だった幼少期からの親子交流をふり返る。ちなみに、「ごてる」とは稲盛氏の出身地・鹿児島の方言で「ごねる」の意味で、「ごてやん」とは言うことを聞かず、わがままを言って相手を困らせる子どものことを指す。
相当な「ごてやん」だった稲盛氏のことを、キミさんはほとんど叱ることがなかったそう。ただ、正義については厳しかった。稲盛少年がけんかをして泣いて帰ってきたときのこと。「どうして泣いて帰ってくる。自分が正しいと思うなら、もう一回行ってこんか!」と一喝。この教えは後々、稲盛氏の経営哲学にもつながる。「『人間として正しいことを正しいままに貫く』、この基準だけで私は京セラを経営してきたといっても過言ではない。現在に至るまで、これは間違いではなかったと思う」
序章で「昨今のニュースなどで、道徳観や倫理観が欠如してしまった若者の話をよく聞く。また、周囲から、最近の若者は利己的で感謝の心に欠けているように見える、という話もよく聞こえてくる。私たち日本人が仏教の教えに基づく『利他の心』の持ち主であると信じているが、現代の若者がそれをもたないのだとしたら、原因はただひとつ。大人が教えてこなかったからだ」と綴り、最終章で「『お母さん』とは、まさに「神様」と同じありようの言葉。この世に生きる誰しもがお母さんから「命」を授かることを考えれば、それも当然のことかもしれない。『だから、お母さん、ありがとう』は『神様、ありがとう』という意味」と締めくくる。母親の“愛”と“正義”が、子どもにいかに勇気を与えるか、後の人生にどれだけの影響を及ぼすかを、「経営の神様」と共に知る情熱の一冊。
著/稲盛和夫
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