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2016.2.25

絵本『100万回生きたねこ』で知られる佐野洋子の未発表作品が見つかりました! 『あっちの豚こっちの豚/やせた子豚の一日』

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絵本『100万回生きたねこ』で知られる佐野洋子の未発表作品が見つかりました! 『あっちの豚こっちの豚/やせた子豚の一日』

 絵本『100万回生きたねこ』や数々の名エッセイで知られる佐野洋子さんの未発表作品が見つかりました! 没後に見つかった生原稿に、広瀬 弦さん書下ろしの絵を加えた、久しぶりの親子共演です。

題名は『やせた子豚の一日』。「酔っぱらいのとうさん豚」と「やせた子豚」の「ぶたかわ ぶたたろう」一家、「はたらきものの母さんぶた」と「ふとった子豚」の「ぶたかわ ぶたこ」一家、となり合った対照的なふたり家族の一日を、ユーモアを交えながら鮮やかに描いています。

 

 同収録のもう一作は、同じく佐野洋子さんが好んで題材にした動物のひとつ『豚』をテーマにした名作『あっちの豚こっちの豚』。没後に発見された佐野洋子さんの原画30点を収録した名作絵物語です。

 林の中の豚小屋で、のんびり自由気ままに暮していた豚の前に、ある日、たくさんの動物たちがきて、林の木を切り倒し、家を建て、引っ越してきました。しばらくして、服を着たきつねの紳士が現れ、豚に相談をもちかけます。「「われわれは文化的な生活をしています。あなたの豚小屋があるために、環境がこわれるんですよ。ひとつわれわれにおまかせいただいて、われわれと同じような住宅におすみになってはいかがでしょう」と。無理矢理、文化的生活を押しつけられ、困惑した豚が「しかし」とつぶやくと、きつねの紳士は「『しかし』とか『よくかんがえてみますと』とかはいわないほうがいいのです。いまの幸せをこわします」と言いました。自由を失った豚の運命は・・・?

 

 自分の生き方や自分の幸せは、自分で見つける! たんたんとした物語の中に隠された強いメッセージ。佐野洋子さんの魅力が光る待望の作品集です。

 

小学館文庫

『あっちの豚こっちの豚/やせた子豚の一日』

著/佐野洋子

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