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2016.3.2
文明開化に喜んだり、戸惑ったり・・・明治時代の「にゃんこ」の世界へようこそ! 『ねこのおもちゃ絵』
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働き猫、宴会猫、曲芸猫、温泉猫、勉強猫・・・ページをめくれば、擬人化された猫のオンパレード! 「おもちゃ絵」とは、幕末から明治中期にかけて作られた、子ども向けの浮世絵のこと。読み物や漫画、図鑑的な情報をはじめ、切ったり組み立てたりして遊ぶものや、双六、着せ替え人形などもあり、玩具として大きな位置を占めていました。
そのなかでも当時から人気が高く、ファンが多いのが猫の絵です。猫好きでも知られる奇想の浮世絵師・歌川国芳の弟子たちを中心に、数多く描かれました。猫の姿をとおして、当時の子どもの遊び、人気のあった職業、さらには流入してきた西洋文化によって変化しつつある風俗の様子もわかります。
「ねこビル」「ねこライフ」「ねこストリート」「ねこレジャー」「ねこシアター」「ねこvsネズミ」といった章立てで、まるで猫の町を覗いているような感覚! 文明開化が到来するなか、笑ったり、喜んだり、戸惑ったりする猫たちが、とにかくかわいい! にゃんこの仕草や表情とともに、絵に描かれた物語や背景も想像すると楽しさ倍増です。 猫おもちゃ絵のルーツともいえる、にゃんこ先生・国芳の作品も多数収録しています。
「歌川国芳の猫好きは弟子たちにも受けつがれたようで、とくに歌川芳藤の作品は師匠に勝るとも劣らない楽しいものです。子ども向けのおもちゃ絵でも手を抜かず、アイデア・画力ともに抜群。そのていねいな仕事ぶりから、“おもちゃ芳藤”とも呼ばれました。この本で最も多いのも芳藤の作品です」(担当編集)
著/長井裕子
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