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2016.8.10

伝説の天才編集者に学ぶ"考え方のヒント"『花森安治と『暮しの手帖』』

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伝説の天才編集者に学ぶ"考え方のヒント"『花森安治と『暮しの手帖』』

NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」のモチーフになった人物に迫る!

 

 戦後、女性たちのライフスタイルを変えたといわれる生活総合誌『暮しの手帖』。高畑充希主演のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」は、大橋鎭子、花森安治をはじめとするこの雑誌の創刊メンバーをモチーフにしています。

 

 本著『花森安治と『暮しの手帖』』では、『暮しの手帖』をこよなく愛した筆者たちが、初代編集長・花森の業績や考え方をわかりやすくつづっています。

 

 著者のひとりである山田俊幸さんは本著が生まれたきっかけについて、

 

‹‹この本は、ひょんなことから生まれました。

 大学には講師控室という大部屋があり、そこで定年を迎えた同僚の岩崎裕保さんとの雑談でしばしば出たのは、『暮しの手帖』のことでした。彼が、家の本を整理しているのだが、子どものころから見ていた『暮しの手帖』を捨てかねているというのです。わが家にも『暮しの手帖』は全冊あって、わたしもそれで育ってきたので、例のアラジン社のブルーフレームのことや、サンタのカレー缶詰のことなどをなつかしく思い出しながら、雑談を繰り返していました。そんなとき、ある企画で、花森を含む「パピリオ」の一冊が書けないかという依頼がありました。それで、その周辺に手をつけたのです。ところが、企画は難航。花森安治だけに焦点を絞った本を出したらどうか、と小説家の千野隆司さんが提案してくれたのは、その時点でした。千野さんのアドヴァイスで、話し相手の岩崎さんを誘い、さらにパピリオ本で準備に入っていた島村元子さん、美術関係では永山多貴子さんに協力をお願いしてできあがったのが、この本です。言うならば、「大部屋本」とでも言えるでしょうか››

 

 第一章では、「花森安治の教える『考えるヒント』」について解説。『暮しの手帖』誌上で人気企画となった〈商品テスト〉を含め、花森が調査し、批評した上で意見表明したテーマを紹介。いいと思うことには妥協をゆるさなかった花森氏。〈商品テスト〉で、テストしたミシン34台、延べ協力者1366名、テスト日数154日、縫った布34万メートル。彼のこだわりがわかる逸話です。

 

 第二章の「花森安治を作った時代と人々」では、彼の生い立ちから『暮しの手帖』を大橋鎭子とはじめるまでの歩みをたどり、花森安治という人物がどうやって作られていったかを見ていきます。

 

 第三章「花森安治の好奇心と世の中」では、花森氏のものの考え方にも話が及び・・・。

 

 コラムでは、大橋鎭子氏と「暮しの手帖」についても解説!

 

 執筆者たちがワクワクしながら書いた本著。花森氏の情熱的な仕事ぶりや、国民の生活を「いのち」最優先で観察してきた視点には、今でも、今だからこそ、学ぶことがたくさんあります。

 

『花森安治と「暮しの手帖」』

著/山田俊幸  著/岩崎裕保

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