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2016.10.12

一介のセールスマンがイチローの年俸を超えるには? 『プロフェッショナルセールスマン「伝説の営業」と呼ばれた男の壮絶顧客志向』

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一介のセールスマンがイチローの年俸を超えるには?  『プロフェッショナルセールスマン「伝説の営業」と呼ばれた男の壮絶顧客志向』

 生保で週平均5件の契約を取り続けた伝説の男! 

 

 本書の主人公、「伝説の営業」こと甲州賢(こうしゅう・まさる)さんが遺した言葉は、営業職にとどまらず幅広い人たちの心の中で生きていくでしょう・・・。

 

 リクルート時代、同年齢約900人のなかで最速となる課長昇進を果たし、ヘッドハンティングされたプルデンシャル生命では、週平均5件、11年で3080件の契約件数を獲得。つねにトップ営業マンだった甲州さんには3つの夢がありました。

 ひとつは、プロ野球選手。

 ふたつは、定年までライフプランナーを勤め上げること。

 みっつは、50歳になったらセールスについての本を出版することでした。

 42歳の若さでこの世を去り、どれも叶うことはありませんでしたが、3つ目の夢だけは、形は違えど、本書が代わりをはたしたのではないでしょうか。

 

 甲州さんはトップセールスマン時代、さまざまな伝説や言葉を遺しました。そのなかでも、彼の仕事に対する姿勢を象徴するようなセリフがあります。

 

  「イチローの年俸をどうしたら超えられるだろうか?」

 

 これは冗談や酒席で出た言葉ではありません。大まじめに考えていたのです。

 仮に、イチローの年俸が彼の10倍であるとしたら、甲州さんは前年の10倍売ればイチローと並ぶ計算になります。彼のことをよく知る人たちなら、「うん、ありえるね。イチローを超えて、またひとつ、伝説をつくってほしい」というに違いありません。

 

本気でイチローを超える気だった伝説の数々!

 

 甲州さんは他のセールスマンと何が違ったのか? ある講演で彼はこう答えています。

 

  「知識や技術的なことはなにも違いませんよ。ただひとつ、"本気度"が違うんです」

 

 この"本気度"こそが甲州さんの真骨頂! 本書には、プロとは何か? 本気で考えさせられる発言や仰天エピソードが敷きつめられています。これはその一部。

 

――門前払いされそうな訪問先に対して

  「商店街で美味しそうなコロッケが売っていたので、買って参りました!」

 

――どう展開してもいいように客先に16種類の手書きの提案書を持参

  「そんなこともあろうかと思いまして、じつはもう一案だけ、プランをつくって参ったんです」

 

――甲州さんのケータイに電話をかけ、留守電につながったとき流れる応答メッセージ

  「はい、甲州です。お電話ありがとうございます。×時まで商談中のため、電話に出られません。×時にこちらから、おかけ直しいたします」

 

  「逃げも隠れもしない。一生お付き合いする覚悟を伝えたい」

――そんな覚悟を示すために、彼は契約者へ渡す名刺に、自宅の住所と電話番号を刷っていました。

 

 その伝説は生保業界という枠にとどまらず広がり、ビジネス誌から取材を受け「話し方入門」や「これがビジネスマンの秘密兵器だ」といった特集記事に登場。大手百貨店やホテルなどさまざまな業界からも講演に声がかかっていました。

 誰かに話さずにはいられないインパクトのある話は人から人へと語り継がれ、彼は生きながらにして伝説のセールスマンになりました。

 

 彼のセールスマインドとスキル、そして、その"本気度"に感化されること間違いナシの一冊です。

 

小学館文庫プレジデントセレクト

『プロフェッショナルセールスマン

「伝説の営業」と呼ばれた男の壮絶顧客志向』

編・著/神谷竜太

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