お知らせ

2017.3.6

『「奨学金」地獄』・・・自己破産した派遣OL、大学生になって最初のバイトはフーゾク・・・

この記事は掲載から10か月が経過しています。記事中の発売日、イベント日程等には十分ご注意ください。

キーワード: 社会問題 ファミリー 学生

『「奨学金」地獄』・・・自己破産した派遣OL、大学生になって最初のバイトはフーゾク・・・

知らずにはすまされない奨学金の実態!

 

親の経済的援助をアテにできない若者たちが、

利用した奨学金の返済に苦しむ実態が明らかになってきました。

返済苦にもがく若者たちの実情は、

想像以上に悲惨極まりないものです。

本書『「奨学金」地獄』では、

実際に奨学金の返済に困っている方々や関係者に取材し、

格差社会の中で苦悩する人々の現実と、

昔と違う、奨学金を取り巻く現在の状況をレポート!

彼らに共通しているのは、

返済しなくてはいけないという強い責任感です。

ここでは、2つの事例を紹介します。

 

実例1.自己破産した派遣OL

 

東京都下の小さな商店街で育ったAさん。

両親は小さな青果店を営んでいた。

家計が苦しかったため、

大学4年間、月額3万円の奨学金を借り入れた。

借入金は父親が返す約束だったのだが両親が離婚し、父親は失踪!

大学卒業後に就職したアパレル系の会社は倒産し、

やむなく派遣会社に登録して派遣社員に。

自宅兼店舗のローンが残っているところに、

突然230万円の奨学金一括返済の請求が届いた。

苦しい家計のなかから捻出して返済を続けたが、母親の医療費も増え、

クレジットカードの負債はふくらむ一方で、ついに自己破産を決断した。

 

実例2.ふつうの大学生活を送るために、風俗で働いた

 

私立の国際関係学部へ進学したBさん。

父親はサラリーマンだったが、勤務先が倒産し失業。

事業を立ち上げたがうまくいかず、

家計を支えていたのは同居している祖父母だった。

やむをえず奨学金を利用し、足りないぶんはアルバイトで補うことに。

しかし、自宅が遠いため帰宅が遅くなり両親との間に摩擦が生じ、

短時間で多く稼ぐことができる風俗で働くようになる。

そうやって受け取り額を減らした奨学金だったが、

それでも返済総額が400万円と知り愕然。

借金を抱える怖さ、返せない恐怖に襲われ、

その結果、精神的ストレスが原因でアルコール依存症に。

 

これらの実例プラス8つの事例をもとにして、

長年この問題に取り組んできた弁護士である著者が

今の奨学金制度が抱えている問題点、

返済に困った時の救済手段などを、詳細に解説します!

 

返済が3か月滞ると

金融機関の「ブラックリスト」入り!

 

今や大学生のふたりにひとりは奨学金利用者です。

その背景には、格差や貧困の拡大で

親の経済的援助を受けられない学生の急増と、

学費の高騰があります。

国立大学の年間授業料は、

1971年が1万2000円だったのに対し、

昨年度は約54万円、初年度納付金は80万円を超えます。

多くの学生が奨学金を借り、生活のためにバイトに明け暮れ、

そして数百万円の借金(奨学金)を抱えて卒業するのです。

しかし現在、全就業者のうち3人にひとりは非正規雇用という時代。

生活苦で奨学金を返したくても返せない人が増えています。

 

一方、2004年に日本育英会から変わった

日本学生支援機構の奨学金制度は、

金融事業になってしまいました。

返済が3か月滞ると金融機関の「ブラックリスト」入り。

4か月滞納で債権回収会社の回収がはじまり、

9か月で裁判所を通じた支払督促がきます。

中高年の人の記憶にある、育英会時代の

のどかな奨学金とは別物なのです。

 

いま現在、返済に苦しんでいる人には、解決策のヒントに!

毎月奨学金が振り込まれている学生には、返済の実態理解に!

これから奨学金を借りようとしている人には、検討材料に!

日本が抱える貧困問題を理解する上でも、全国民必読の書です。

 

小学館新書 

『「奨学金」地獄』

著/岩重佳治

 

★こちらもオススメ!

「脅し」「サボり」「偽装」「粉飾」・・・学生・教員・経営者すべてが劣化!『Fランク化する大学』

夢破れ、恋破れ、毒親に支配され、こんなはずじゃなかった30代。 『貧困女子のリアル』

レズ風俗前夜&後日談をつづる永田カビの『一人交換日記』

関連リンク