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2017.4.29

『九十歳。何がめでたい』著者・佐藤愛子さん、旭日小綬章を受章!  コメントは喜びでなく…?

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『九十歳。何がめでたい』著者・佐藤愛子さん、旭日小綬章を受章!  コメントは喜びでなく…?

旭日小綬章受章の発表があった佐藤愛子さん。

現在93歳、なのにコメントは切れ味バツグン!

 

「突然お電話をいただきましてね。途方にくれたというのが正直なところ。

私どもの年代までの物書きというのは、大変エゴイスティックな仕事の仕方をしておりまして。

読者のためではなく、自分が面白いからそれを表現したい、という欲求でやってきました。

世のため人のためにつくしてきたわけではないので、なんとなしに忸怩たる思いがありまして・・・」

 

これはこのたび、春の叙勲で旭日小綬章の一報を受けた作家・佐藤愛子さんのコメントです。

受章について、喜びではなく「忸怩たる思い」と表現するのが、まさに佐藤さんならでは!

佐藤さんは大正12年大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。

昭和44年「戦いすんで日が暮れて」で第61回直木賞、

昭和54年「幸福の絵」で第18回女流文学賞、

平成12年「血脈」の完成により第48回菊池寛賞、

平成27年「晩鐘」で第25回紫式部文学賞を受賞。

長きにわたって数々の名作を生み出してきました。

これまで受賞してきた賞と比べて、旭日小綬章の重みは違うのかと尋ねると、

「大変申し訳ないんですけど、旭日小という章がどういうものなのか、

世間の人たちもあまりご存知ないのではないでしょうか。紫綬褒章というのもありますし。

だから、どんなに軽いのか重いのかも知りません」

と素っ気ないというか、正直な回答が・・・。

 

佐藤さんはその歯に衣着せぬ率直な物言いで、エッセイの名手としても知られています。

最新エッセイ集『九十歳。何がめでたい』は、現在83万部を超える大ベストセラーに!

そのヒットの要因はどこにあるのでしょうか?

 

「なんだか不思議というか。いったいこれはなんなんだと。誰かに教えてもらいたい。

新しいことは書いてないですし。昔から憎まれ口は定番になっておりますから、なんで今さら・・・。

時代ですかね、今の人たちはこういうことを言ったら、何か言われるんじゃないか。

そういうことを考えながら生きていますから、昔のように率直じゃなくなってる。

その分、我慢しているわけです。

そこに言いたい放題言うのが現れたから珍しく感じたのかな、と。

それくらいしか思い当たりません。ヘンな時代ですね」

 

本書に収められたエッセイは全28編。「女性セブン」の連載をまとめたものです。

「一生懸命を生きざるを得ないような、何かつぎつぎとアクシデントが起こる人間ですから。

それに対応するため、力いっぱい当たらなければならない習慣がついてました」

常に困難と立ち向かい、闘いながら生きてきた佐藤さんだからからこそ書ける緩急織り交ぜた文章は、

人生をたくましく生きるための箴言も詰まっていて、大笑いした後に深い余韻が残ります。

連載は大人気を博し、編集部にはたくさんの感想や問い合わせが届きました。

自分のために書いていることが、読者から感謝されることについて佐藤さんは、

「困りましたね・・・。私のものを読んで勇気をもらった。佐藤さんのように生きたい。

と言う方が多いんですが、普通の人がこんなふうに生きたらとんでもない人生になるので、

およしなさいと言いたい。反面教師にしてください」

とこれまた、優しく突き放します。

 

今回の受章を機に次回作への期待も高まっていますが・・・?

 

「私もう93歳ですよ。

これから先だってあとせいぜい半年か1年、せいぜい3年生きればいいですからね。

また鼻歌を歌う気になれば、書くかもしれないし、書かないかもしれないし」

 

ベストセラーエッセイ

『九十歳。何がめでたい』

著/佐藤愛子

「暴れ猪」佐藤節が全開! 読めばイライラやムカムカ、精神疲労や意欲低下も、スッキリ!

みずからの老いのことや、時代の進歩、世間を騒がせた事件や話題になったできごと、

何十年も前の忘れがたい思い出話などのほか、新聞に寄せられた人生相談に対して勝手に回答!

相談者に「甘ったれるな!」とツッコミを入れ、回答者には「大変ですね」と同情もします。

そして私だったら、こう答える――その回答の痛快さたるや!!

読者は佐藤愛子さんの同年代かと思いきや、「自分の親が何を考えているのかよくわかった」と同年代の親をもつ世代からの支持が絶大! さらに孫世代にも読まれています!

老若男女、読めば笑いがこみ上げ、悩みは雲散し、グングン元気がわいてくるはず!

昨年8月に刊行後グングン売り上げを伸ばし、発行部数83万部に!

ぜひ日本最高峰の名エッセイをご堪能ください。