全国の書店員さんから、
感想がぞくぞく到着!
「本のプロ」は『宙ごはん』を
こう読んでくれました。

東京都

よそはよそ、うちはうち。多分誰もが一度は言われた、あるいは言った言葉だろう。でも、もうそれではすませられない「よそ」や「うち」があることに気がつきはじめている。人を損う人と人を育む人の道はどこかで違ってしまうらしい。
人の体は食べたもので作られる。人の心は受け取ったもので作られるのだろう。受け取った優しさや悲しさを糧に心は育ち続ける。育て、踏み出せ、時には笑って。ごはんが美味しいと思えたらきっと出来そうな気がする。

書泉ブックタワー 山田麻紀子さん

私は町田先生の『52ヘルツのクジラたち』が好きなのですが、今回の『宙ごはん』を読んで、同じくらい好きな作品になりました。
どちらの作品も、ツラく悲しい出来事が、宙ちゃんはじめ、主人公たちの身の回りで、たくさんあって。そう、たくさんありました。けれども、『宙ごはん』には、よりあたたかい希望があったのではないかと思いました!
「ごはん」というものは、いかに、ひとを幸せにし、元気にしてくれるのか!まして、あったかくて、美味しいごはんなら、なおさら!誰かが大切なひとのために、心を込めて作ったごはん、というのは、とっても素晴らしくて、宝物なんだなあ!と自分でもごはんを作ってみて、今は亡き懐かしい母のごはんを思い出して、そう深く感じました。
確かに、苦しくて苦しくて、どうしようもないとき、ごはんなんて食べられない、、、そういうときが、ひとには必ずあります。それでも、やっちゃんのような、ふわふわとした優しさのなかで、まあ、とりあえず、一口食べてみ?と言われたら、思わず、あの甘い、いい匂いのするイチゴジャムののったパンケーキを食べてみたくなるかもしれません。
優しいごはんは、優しい思いをつむぎ、そして、未来へと希望をつないでいく。にゅうめん、ポタージュ、チャーハン、どのごはんも、美味しそうで、私も、なんだか、お腹すいてきました(笑っ)

芳林堂書店 高田馬場店 江連聡美さん

産みの親、育ての親、複雑な家庭で育った宙ちゃんが巻き起こす、奇想天外なお話を読んでお腹がグゥー。素晴らしい作品をあなたも読んで元気を出して下さい。感動してください。

くまざわ書店 南千住店 鈴木康之さん

時に不器用でありながらも、相手を大切に思う気持ちの温もりが感じられる実に町田さんの作品らしい作品。「食事の場をシェアできる環境」って、それだけで誰かに対する一大イベントなんですよね。

くまざわ書店 錦糸町店 阿久津武信さん

神奈川県

あるべき家族(母、娘…)像の呪縛から解き放ってくれる、やさしいやさしい希望の物語でした。
美味しいごはんにも誘われ、一気読み! とても幸せな読後感です。
宙の成長を読み進めていくうちに、自分自身が家族というものを理解してきた過程を振り返るような懐かしい気持ちになりました。子どもも大人も、それぞれの立場で救われる。ただ慰められるのではなく、自分自身とも向き合いたくなるのは、この本が愛をもって読者に向き合ってくれるからだと思います。やっちゃんのように。(やっちゃんが大好きです…涙)たくさんの人に読んでほしいです。

紀伊國屋書店 鶴見大学ブックセンター 伊勢川詩織さん

ものすごくよかったです。ちりばめられたいろいろな言葉が、そうだそうだと思いながら、町田そのこ先生は、私よりも若いのにどうしてこんなことが書けるのだろうかとやはり、九州の人はいいなとか(九州大好きなのです)無条件に愛されることの大切さをこんなにもうまく言い表したお話に出会ったことがない。
自分が自分らしくいられるということが、どういうことなのか、人はどこから生きづらくなってしまうのか。凝った料理でなくても、丁寧に誰かのためにつくった料理は、こんなにも人に生きる力を与えてくれるのか。きっと誰かの心に貢献できる小説になりますね。読めてよかったです。

有隣堂 藤沢店 佐伯敦子さん

マリーが「家族」について語るシーンがとても印象的で肩の力を抜くことができる、良いエピソードでした。
一章ごとに変化する宙と花野の関係はきっと誰もが、どこかに共感できる部分があり、親の気持ち、こどもの気持ちに気付くことも多いのでは。親の気持ちは親になってみないとわからないというけれど、この本を読むことで近づくことができ、そして、親となった自分も、大切に育ててもらった娘であることを思い出しました。
お母さん、ありがとう。

有隣堂 藤沢本町トレアージュ白旗店 小出美都子さん

きれいなだけの物語ではなかったけど、最近の町田そのこさんの著書のように、沼にずぶずぶと沈みこむような激しく感情が揺さぶられる系のでもなく、守りたい人を慈しむ気持ちが溢れていて、とても清々しい読み心地で、いつもより自分のことがちょっぴり好きになれる、そんなやわらかい雰囲気がただよう作品でした。
読んだ後は、自分にとっての魔法のパンケーキを探したくなりますね。

ジュンク堂書店 藤沢店 鈴木沙織さん

母とは? 家族とは? あらためて考えさせられました。ごはんの持つ力にも!! やっちゃんのように、大きく、あたたかく生きていきたいなあ…。
町田さん作品で上位に来る大好きな一冊になりました。ちょっとへこんだ時に思い出して読み返そう。。。

くまざわ書店 辻堂湘南モール店 奥田祐子さん

なんてその子は大人のようで、さびしいのだろう。愛され方も愛し方も知らない母親とのいびつな生活がはじまり、普通の母親との生活をその子は期待する…。それでもその子は期待した分だけ、がっかりする…。
だけど、あたたかいふわふわごはんだけはその子のそばにはいつもあった。ごはんだけはその子を裏切らない…。やさしいあの人からたくさんたくさん作り方を覚えた。あたたかくやさしく包みこんでくれるごはんはたくさんの縁を運んでくれた。
その子が覚えたごはんは魔法をかけたように、誰かにそっと寄り添ったやさしいごはんとなるだろう。ありがとうの気持ちを込めて、ごちそうさま。

ブックポート 大和店 櫻井もなみさん

千葉県

血がつながっているから「親子」じゃない。一緒に悩んで乗り越えて、泣いて、笑って…変化して成長していくんだ。
宙を取り巻くすべての人が愛おしい。愛する形が違うだけ。思いを込めた料理を通して愛を伝える。美味しくても、不味くても、不格好でも笑い合って食べれば体も心も満たされる。
本書に登場するやっちゃんと宙の料理は美味しそうで、作りたくなった。親として18年余り過ぎたが、まだまだ。そんな私への力強いエールに感じた。子どもの立場の人、親の立場の人、その人たちと関わる全ての人々に手に取ってもらいたい作品だ。

柏の葉蔦屋書店 河瀬裕子さん

まだうまく言葉にできません。
ただ、本当によかった。とてもよかった。

くまざわ書店 松戸店 加藤敏之さん

ぜひ読んでほしい!! と猛プッシュしたくなる一冊でした。痛みや悲しみはあるけれど、優しさと愛に溢れていた。
心も体も元気がない人には、あったかいものを食べさせろ、と何かで聞いたことがあるけれど、まさにその通りかもしれない。そして、誰かと一緒にそのあったかいものを口にする事はとても大切な事なんだと思った。
宙と花野さんに、やっちゃんがいてくれて本当によかった。でもイイ奴すぎてちょっぴり不憫(笑)。やっちゃんの存在感は大きかった!! 器がデカくて優しくて愛に溢れたどうしようもなく素敵な人。無償の愛!!

蔦屋書店 茂原店 松浦直美さん

埼玉県

町田そのこさんのお話はいつも、親と子の関係について深く考えさせられ、血のつながりの有無の外で、人と人がどれほど結びついていくのか…を、しみじみと感じさせてくれますが、今作もまた、親子のつながり、家族の意味、人が育つという事を厳しく、かつ優しく見つめているようなお話でした。
一話読む毎に、出てくるご飯の美味しさと温かさに、お腹の底からホコホコと温められる気持ちでした。主人公の宙が多感な少女時代を成長する様子と、母親や様々な周囲の大人達との関係の変化の描写がとても丁寧で気持ちよく、彼女はたくさん泣いてしまったけれど、人に恵まれていて良かったと思います。
どんな過酷な家庭環境でも生きていく、生きていいという「よすが」があると示されることの何という安心感。特に最終話では、まさにそう感じ、読んでいる私自身の心も救われるようでした。
もっともっと、この宙と花野母娘と、周りの世界を見ていたいと思い、また、人というのは、誰かとたくさん話をして聞いて、しっかりと温かいご飯を食べなきゃならないと感じました。 パンケーキがとっても食べたくなりました。

明文堂書店 TSUTAYA戸田 坂本まさみさん

感想を述べるのがこんなにも難しい作品は初めてかもしれない。読んでいて本当に色々な感情が湧き起こった。
憐れみや、切なさや、苦しさや、やるせなさや、嬉しさや、愛おしさや、幸せが。宙とまわりの人たちの物語の中で、彼女たちから投げかけられた思いや考えを私は忘れてはいけないと思う。
確かなのは、どんな人にも温かいおいしいご飯と愛が必要だということ。

東京旭屋書店 新越谷店 猪股宏美さん

なんて優しい物語だろう。心のど真ん中を揺さぶられました。食はその人を作る基本だなあ、としみじみ……。
子供の頃からの呪縛。人はその呪縛から逃れられないまま大人になってしまう。呪縛から解き放たれるまでにカノさんはどんなに辛かっただろうと。時間と人の優しさと温もりと。惜しげもなく与えてくれる人たちがいて。 人と人との繋がりが人を助け成長させる。そして宙のまっすぐな心に救われました。ふわふわのパンケーキ! 食べたーい!!

文真堂書店 ビバモール本庄店 山本智子さん

茨城県

こんなにも人は誰かのために愛に溢れた行動ができるのか! と心にダイレクトに響いて涙があふれていました。
心を込めて作った料理は、傷ついた心を優しく包み、そっと背中を押してくれる。 困難なことが多い時代だけれど、人が人を大切に思う尊い気持ちを忘れてはいけないと強く思った作品でした。

蔦屋書店 ひたちなか店 安直美さん

栃木県

辛いことが合って前を向けないでいる時に、心のこもった美味しい食べ物をいただくと、硬くなった心が少し柔らかくなって一歩前へ踏み出すことができるようになる。ママとお母さんの二人の母を持つ宙も、美味しいものに助けられて成長していく。親であっても人間で、ちょっと困った部分もあって、それも含めて家族として愛して助け合う。
きれい事ばかりではない中で愛を感じられる町田そのこ氏の作品が私は大好きです。すてきなストーリーをありがとうございました。

うさぎや 戸祭店 信賀さん

納豆ごはんだけだって誰かと食べたらおいしい。そこにねぎが刻んであったらもっとおいしい。相手を思うってそういう小さな事の積み重ねなんだと思う。
食べる事は大事。その時間を共有する人がいる事はもっと大事。 子として、親として、一人の人として、いろいろな思いで読んだ。おいしかった!

うさぎや 作新学院前店 丸山由美子さん

母親らしくというけれど色々なかたちがあっていい。子どもたちが安心できるといい。
心のレシピは受け継がれる。 宙のパンケーキには、人を動かす力があります。優しい温もりが伝わってくる物語。誰もがほっとできる場所が作れる、登場人物のやっちゃんが好きです。

うさぎや 矢板店 山田恵理子さん