全国の書店員さんから、
感想がぞくぞく到着!
「本のプロ」は『宙ごはん』を
こう読んでくれました。

岡山県

辛い時、悲しい時、苦しい時は誰かに頼っていいんだよ。と言ってくれてる様に思いました。
宙がやっちゃんの料理で救われた様に今度は宙が料理で誰かを救う。とてもとても優しい物語でした。

紀伊國屋書店 エブリイ津高店 高見晴子さん

止めどない涙に嗚咽、独り言も増え私、かなりヤバイ人だ。読み出したら、登場人物たちは個性豊かに動き出し正に! 町田ワールド!! 何よりも温かい。不完全でも誰かを大切に思う優しさ、深さが沁みます!
マリーちゃんは本当にカッコいい!! マリーちゃんは凄い!! 「家族」と言う言葉の持つ多様な考え方、この言葉に救われる人は少なくないと思います。
やっちゃんの優しさにも何度となく泣き、宙の心の虚を思って泣き、それでも最後には心からの幸せで温かい涙でした。血が繋がっている、いない、そんなものは思いが超えてゆく! 食卓をみんなで囲んだならば。

郁文堂書店 庭瀬店 藤原郁子さん

広島県

手づくりのごはんを囲んで、家族や親しくなった人と語らう。一見、何てことない日常のひとコマのようですが、この物語では、この会食シーンがとても貴重です。登場人物だけでなく、読み手の私にも安らぎと温もりがジーンと伝わってきて、一緒にあたたかいごはんを頂いているような気分になるのです。
産みの親と育ての親がいる主人公「宙」の人生は複雑で、想像を絶する展開でした。そんな宙を救ったのが料理と、そのメニューを教えてくれた人との出会いです。レシピを書きためた何十冊ものノートには、宙の感情もたっぷり詰まっていることでしょう。作中に出てこなかったレシピも、とっても気になります!

フタバ書店 TSUTAYA GIGA 祇園店 高橋由美子さん

町田そのこさんのお話を読むと、どんなにつらくてもいつかはそこから抜け出せるよと、毎回力をもらっているように思ってしまいます。
やっちゃんの愛ってむちゃくちゃおっきいですよね? その大きさで、たくさんの人が救われた。愛は見えるものではなく感じるもので、目に見えないからこそ、貰ったひとつの愛を増やしてたくさんの人に渡すことができる。増やしたひとっを丸ごと渡すことだって、できる。そんな愛がたっぷり入ったやっちゃんのごはんはみんなを幸せにする。やっちゃんの愛をもらった宙のごはんも。
風海は、家族とどうなったんだろう?遠宮と宙は? マリーもヒロムも智美も、みんなのその後が気になります。
立ち止まってしまったとき、嬉しいことがあったとき、きっと、誰かにご飯を作ったり作られたりしながら力を付けて前に進んでいっているのかな。愛って最高の調味料ですね。

丸善 広島店 中島伏美子さん

島根県

書店員になる前に町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』のジャケットとタイトルを見て初めて買い、なんて美しい文章を書くのだろうと思い、そこから『星を掬う』、そして今作のプルーフと読ませて頂きましたが、第一印象に違わず、今回もとても美しい文章でした。
三大欲求にもある「食」に通じ、また自分自身食べることが大好きなので読んでいてお腹が空いてよだれもでちゃいました。自分自身全く宙のように複雑な家庭環境ではなかったですが、読んでいるこちらがあたたかくなる素晴らしい作品でした。ありがとうございました。

今井書店 グループセンター店 濱邊海里さん

山口県

なんだかずっと泣きっぱなしでした。辛くて苦しい涙、うれしい涙、安心の涙。感情が忙しかったです。
家族や誰かと食卓を囲めていることを再度感謝しながら、ごはんを食べようと思いました。

明屋書店 厚狭店 小椋さつきさん

もう、一言でいうと、好きです。この一冊で元気をもらいました。
登場人物たちはみんな完璧ではない、それがどこか自分たちとリンクしていてとても読みやすかった。
色々つらかったり、悲しかったり、悩んだりするけど、前に進んでいける物語は大好きです。一緒に食事することの大切さを改めて感じました。

宮脇書店 ゆめモール下関店 吉井めぐみさん

愛媛県

「普通」の家庭なんてどこにも無いけれど、普通のごはんが人を助ける事はよくある。と、亡くなった祖父が口にしていたのを思い出しながらずっと読んでしまいました。
今日は娘と妻に何を作って食べてもらおうか考えながら仕事をしようと思います。

明屋書店 MEGA平田店 山崎裕也さん

宙ちゃんの成長とともに様々な人々の家庭環境が描かれていて、みんな平気な顔をしていても、様々な問題を抱えている様子が現実と同じだなと思いました。今話題のヤングケアラーも扱われていて、当事者の気持ちや洗脳されている事に気づいていないこと等、痛いほど手にとるように感じることができました。
私は夫婦喧嘩をする時は、必ずごはんを食べるようにしています。ごはんを食べた上で、それでもまだ腹が立っていたら、喧嘩を売りに行くようにしています。空腹は心もからっぽにしてしまうからです。夫婦喧嘩なんて小さなことですが、大きな問題になればなるほど愛情のこもった料理は大切だと改めて思いました。

明屋書店 空港通店 久保田さん

この1冊を読み終えるまでに涙腺が何度崩壊したことか……。
悲しくて、辛くて、厳しい。でもそれ以上にもっと温かくて、優しくて、癒しとなる作品でした。

Seren Dip 明屋書店 アエル店 武方美佐紀さん

誰かを大切に思って作った料理は、食べる瞬間だけでなく、その後もその人を元気付ける思い出としてあたたかく残り続ける。近くにいられなくても、関係性が変わってしまっても、大事な人を包みこむお守りのようだと思いました。
「片親だから不幸せ」、「家族がいるから幸せ」とか、固定概念に縛られている自分がいることに気づかされました。「~だから幸せ/不幸せ」という思考停止した考えは見直さなければと思う。
人生は思い通りにはいかない。だけど、望んだ未来ではなくても、その道を選んだからこそ出会えた別の幸せもある。綺麗ごとばかりではない、だからこそ自然に心にじんわり染みこむあたたかいお話でした。一人でも多くの方の手に届けたい小説です。

明屋書店 喜田村店 高橋杏奈さん