全国の書店員さんから、
感想がぞくぞく到着!
「本のプロ」は『宙ごはん』を
こう読んでくれました。

滋賀県

心のこもった思いがつまった料理が、人それぞれの悲しみ、痛みを包みこんでくれる。自分が生かされていくのを身体の芯から感じた。
自分が解放されたいから許しをこうものが、人にとって暴力であり、苦しめていることがある。答えのない苦しみ。でも望みも、どこまでも、続いていく。
町田そのこさんの葛藤しながら到達した愛を今必要としている人。自分には必要ないと思っている人にも、その人にこそ届けたい。きっと誰もが自分のものとなり、心に響く。登場する人がみんな丁寧に心をこめて描かれていて、初め、えーこの人と思った人も、いつの間にか好きなっていました。
まだ生きよう、生きていけると思える、生きることに優しく応援してもらっているようでした。

ジュンク堂書店 滋賀草津店 山中真理さん

京都府

どうしてこんなにちゃんと言葉をかけるひとなのだ、町田先生は!?
母と娘は、いつも女と女で、女同士は、とても厄介で、とても心強い。湯気の向こうに人の顔がある食卓、作った料理に美味しいと答えてくれる顔、料理にこめた想いはいつか人に届くのだな。食べることで、人は造られていくのだな。愛することも愛されることも、生まれながらできることではないのだな。同じ時間を重ねることで、人は生きていけるのだな。
ごめんなさいとありがとうがちゃんと言えるのであれば、人はちゃんと育くめる。 きっと大丈夫と力をくれる小説でした。

未来屋書店 高の原店 元尾和世さん

大阪府

町田そのこさんの作品は何度か読んでいますが、その中で一番好きです!
毎章ごとにまずドン底に叩き落とされますが料理の力と、それぞれの登場人物の力で気持ちがほっこり温まり…でもまた新章で辛くなり…と気持ちがブレブレでした(笑)。
宙ちゃんを始め、カノさん、遠宮くん…みんな幸せになれたでしょうか。
自分が見ている以外にも世界はあるぞ、視点は1つではないぞと、何度も教えられているのに、一方的でしか見ることのできていない自分が恥ずかしいです。
個人的に、遠宮くんと宙ちゃんがどうなったか、是非知りたいです!

紀伊国屋書店 梅田本店 辻本彩さん

今がどんなに苦しくても、前を向いて歩いて行けばあなたの人生には未来がある。そんな温かいメッセージに満ちていました。
心の痛みや辛さを丸ごと受け止めてくれる美味しい食事の登場に、読んでいるだけで幸せになりました。

紀伊國屋書店 天王寺ミオ店 木曽由美子さん

はじめて誰かの為に作ったご飯。見様見真似で作ったご飯。泣いたあとの晩ご飯。宙が成長すると共に私の食卓の思い出も同時に浮かんできました。
子供の目のフィルターを通して家族や世間を見ていたこと。そして大人になって見えてくるもの。過去は変えられないけれど捉え方が変わることで「こころ」が変わる経験は誰しもが、はっとするのでは。
私達はなんて不器用なんだろう。人のことは偉そうに意見できるくせに自分のこととなると、てんで駄目だ。間違えることだってある。悲しみが全てを包み込んで誰かを傷つけることだってある。前を向くきっかけが、いつも食卓と囲むことから生まれていたのかもしれない。
大人になっても変わり続けられる! この物語に優しさと勇気をもらいました。

未来屋書店 大日店 石坂華月さん

町田先生作品ベストを更新しました!! 『52ヘルツのクジラたち』『星を掬う』『コンビニ兄弟2』 と名作をどんどん出してきた先生が、まさか今作でさらに素晴らしい作品を出されるとは!! どんだけ名作を書かれるのか!!?
人生には色々と波乱があり、正直今作を読んでいて、物語の登場人物たちと自分が願ったような未来には歩いていけなかった。でも、彼女らは問題にぶつかるたび、考え、ぶつかり、そして支え合い、温かい食事を通じて乗り越えていった。特に最終話で 花野が「人」によって苦しめられた「呪い」が佐伯やたくさんの「人」たちの「想い」で救われたときに、思わず涙が出ました。
宙と過ごした長い時間と幸せな「温かい食事の場」のつみかさねが、彼女を変えたのだろうと。「毎日の家族との食事の場を大切にしよう」そう思える名作でした。何度も読みかえしたい一冊です!!

ページ薬局 尼子慎太さん

美味しいものを食べた記憶。それはそのままあたたかな記憶。誰かを想って作られたごはんは、誰かの力になる。
ここで生きているひとたちにとって、大切な心の栄養。誰かを想うということは単純で難しい。誰かを頼ろう。誰かに手を貸そう。そして誰かを支えよう。傷だらけになりながら傷つけながら。支えて支えられて。真っ白でピカピカな元の通りのかたちにならなくても、そっと手をつなぐことはできるから。
怒ったり泣いたり、心の中身が右往左往しながらも、みんなよく生きるのをあきらめなかったね。ここまでよく来たね。そんな言葉をかけたくなる。
時を経て、哀しい記憶も辛い記憶も、ひとつひとつ階段を上るように遠ざかってゆく。薄汚い感情もろ過されて、手の中に残ったものは純度を上げてゆく。ゆっくりと歩いてきた時間の歩みを見るような一冊。劇的に大きくわかりやすく成長したり、黒いものがころっと白く変わったりしないけど、確かな時間が流れたような一冊だった。
タイトルを見て、ほんわかほのぼのお話なのかな、と読み始めたら…まともにくらってしまいました。かろうじて残ってた綿のような柔らかいところを、見事にえぐり取られたような気がしました。さすがは町田さん…

水嶋書房 くずは駅店 永嶋裕子さん

最後まで読んで思ったこと。人間はいくつになっても成長できるんだなということ。みんなそれぞれ欠点はあり、弱点もあり、それをカバーできるだけのものはない時もある。色んな人と出会い、体験して、考える。感じる。そして補う。伝える。ここまでできれば最高にいい人生になると、思いたい。
ここに出てくる美味しそうなご飯は、読んだ後だとちょっぴりしょっぱい味がする。 良い小説でした。ちょっと疲れている人は苦しいかもしれない。でも読んで欲しい。きっと元気が出るから。

水嶋書房 くずは駅店 枡田愛さん

大変おもしろく読ませていただきました。章を追うごとに宙ちゃんが大きくなり、年齢を重ねるごとに見える景色や考え方がどんどん変わってくる。町田そのこさんは、母と娘の関係をいつも鋭く、そして優しく描かれますね。
宙ちゃんの友だちのマリーちゃんの言葉がすごく腑に落ちました。家族の中で母親だけ特別な存在に扱われることを重く感じた時は思い出したい言葉でした。
誰かと一緒に食べるごはんは美味しい。一緒に美味しいものを食べておしゃべりして笑って、そんな他愛もないことが、どれだけ幸せなことかを改めて思い出しました。

水嶋書房 くずはモール店 井上恵さん

昭和、平成と日本で培われてきた家族という概念について考え改めるときがきたと思いました。母のイメージ、子のイメージに縛られることなく、助け合っていく集団が家族というマリーの言葉からです。
自分の読書傾向を分析された宙が、自ら求めている答を本の中にさがしていたと語ることで、 家族関係、他者への贖罪を、生きることで解決していく道を十代の若い読者にも示された町田先生の思いを感じました。

水嶋書房 くずはモール店 和田章子さん

和歌山県

すごくいろいろな形で、「愛」というものを見させて頂きました。やっちゃんの存在がすごく大きくて、花野さんや宙と一緒に、なんだか私自身も救われたような気がします。
すごく重く、苦しい場面もありますが、最後はとてもやさしく温かい気持ちになれる町田さんならではの物語。私自身の中で、すごくすごく大切な一冊になりそうです。

宮脇書店 和歌山店 岩瀬竜太さん

兵庫県

いやもうびっくりするぐらい良かったです。最後の方は、悲しい訳でもないのにずっと泣きながら読んでました。感動です。『52ヘルツのクジラたち』も凄く良かったですが、それを越えたかも? ってぐらい。町田さんすごいです。
宙にも周りの人達にも、幸せと試練が交互に何度も訪れるけれど、いつもそこから救ってくれる温かい料理があって。宙のノートには、そんなたくさんのレシピが思い出とともに残っていて、これからもきっと人々を幸せにしていくんじゃないかなと思っています。

ダイハン書店 本店 山ノ上純さん

ほっとする。心があたたかくなる。人って、あったかく、やさしいなと思えた。

ジュンク堂書店 西宮店 水口真佐美さん

人生は出会いと別れのくり返しのようなものだけれど、宙の生きてきた間で、彼女は他の人よりも多くそれを経験し、苦しみや悲しみを乗り越えてきたように思う。そんな苦痛を乗り越えさせてくれたものが〝やっちゃん〟がずっと愛情を込めて作り、宙に教えてくれていた料理だった。
やっちゃんの味は、思いは宙に受けつがれ、彼女の料理もまた、傷つき苦しんでいる人たちを癒していく。美味しいものを美味しいと感じられず、食べることに意欲がわかなくなるのは「生きること」に対する危険信号だと常々思っているのだけれど、少しでも、ほんの一口でも、誰かが自分のために作ってくれた温かいものを美味しいと感じられたなら、まだ大丈夫。
どん底にいたとしても生きていける術はある。それがしみじみ感じられた作品。

ジュンク堂書店 三宮駅前店 池畑郁子さん

「おいしいね」といいながら、大切な人とごはんが食べられるのはとても幸せなことなんだと強く思いました。
時々読み返しては、その幸せな気持ちを忘れないようにしたいと思います。

紀伊國屋書店 加古川店 吉田奈津子さん

やっちゃんの温かさに、心を持っていかれてしまった。…泣ける。泣いた。涙がとまりませんでした。
愛が優しすぎて。温かい料理に温かい心。優しい愛。そそがれた愛は形を変え、受け継がれていく。人は成長することができて、また変わることができるから。
宙がこれから作るごはんは、きっと誰かの心に寄り添い、幸せにすることができるだろう。温かい料理に、心を込めて。あぁ、ものすごく良かった。わたしも「ビストロ サエキ」に行ってみたい。素敵な作品、ありがとうございました。

TSUTAYA 高砂米田店 石川真子さん

こんなに心が温かくなる作品に今まで出会ったことがあっただろうか。おいしい料理に込められた想いが、料理を作った人の言葉のひとつひとつが、気付かれないうちに固くこりかたまった心にしみいって、ほろほろと溶かしていく。読みながら何度も何度も、涙がこぼれた。
誰かを想う気持ちも誰かのために動ける力も、またその次の誰かにつながっていく、そんな優しい世界をつくるひとりでありたい。

TSUTAYA 太子店 大道幹子さん